IT管理ソフトウェアなどを手掛けるSolarWindsは、最新の年次調査レポート「SolarWinds ITトレンド レポート2020:ITの世界共通言語」を発表した。
同レポートは、役割が集約する中でITプロフェッショナルが優先する分野や、求められるITや非技術的スキルにどのような変化があったかを調査している。日本の結果は78人のITプロフェッショナルを対象に、2019年12月に実施された調査に基づく。調査全体では北米、オーストラリア、ドイツ、香港、日本、シンガポール、英国で合計983人が回答している。
これによると、組織の人材ニーズに影響を与える上位3つのテクノロジーでは、クラウドコンピューティング(SaaS、IaaS、PaaSなど)が51%、人工知能と機械学習が33%、ハイブリッドITが32%となっていることが分かった。一方、人材ニーズに最も大きな影響を与えるものとして、エッジ、マイクロサービス、コンテナーなどの最新のテクノロジーを挙げた回答者は全体の14%に過ぎなかった。
この結果についてSolarWindsは、特に2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済危機により予算の見直しが行われており、組織が新興技術に予算を割り当てていないと考えると、つじつまが合うとしている。約半分(47%)の組織は、IT予算全体のうち新興技術に割り当てられたのは、25%未満であったと回答している。
またテクノロジーと役割の集約により、過去3〜5年の間にITプロフェッショナルの役割に変化があった主な3つの分野は、「役割は変わっていない」が44%、「オンプレミスに関した業務の増加」が21%、「既存スタッフの再トレーニング」が19%だった。
さらにITプロフェッショナルが直面している課題では、「人材育成」が29%、「予算/リソースの不足」が26%、「IT管理ツール・ソリューションの不足」が13%とだった。回答者の3分の1以上(37%)が、現在ITプロフェッショナルとして入社する従業員には、現代の分散型IT環境を管理するのに必要なスキルを持っていないと感じているという。