松岡功の一言もの申す

コロナショックで「営業スタイル」はどう変わるのか

松岡功

2020-05-14 13:14

 コロナショックで「営業スタイル」はどう変わるのか。本連載では前回で「産業」の変化、前々回で「働き方」の変化について考察してきたが、今回は営業スタイルに焦点を当ててみたい。

進む「営業活動のオンライン化」

 「コロナはリーマンショックよりもインパクトがはるかに大きい」――。トヨタ自動車社長の豊田章男氏は5月12日に開いたオンラインでの決算会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うビジネスへの影響に対してこう強い危機感を示した。その象徴的な業績見通しとして、2021年3月期の連結営業利益が8割減と大幅に落ち込むことを明らかにした。

 既に各方面から「コロナはリーマンショック以上」との声が上がっていたが、日本を代表する企業であるトヨタ自動車の経営トップが「はるかに」と表現したことで、企業の間では一段と緊張感が高まりそうだ。そんなトヨタ自動車も今後は見直す必要が出てくるであろう営業スタイルが、コロナショックでどう変わるのか。

 今後の営業スタイルの変化について、間接的ではあるが興味深い調査結果があったので、まずはその内容を紹介しておきたい。

 それはアイ・ティ・アール(ITR)が5月12日に発表した「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」の結果(関連記事)から、コロナ危機を受けて緊急に実施した対策について聞いたものだ。図1がその結果だが、興味深いのは「テレワーク制度の導入」をはじめとして、上位には技術的な色合いの濃い項目が並んでいる中で、6番目に「営業活動(商談)のオンライン化」が入っていることである。

新型コロナウイルス感染拡大に伴うIT施策の実施状況(出典:ITR「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」)
新型コロナウイルス感染拡大に伴うIT施策の実施状況(出典:ITR「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」)

 本稿のテーマであるコロナショックで営業スタイルがどう変わるのかは、端的に言えばこの営業活動のオンライン化が進むであろうことが答えだ。ただ、この点については読者の皆さんも予想の範囲だろう。図1の結果で「興味深い」と述べたが、考えてみると、営業活動のオンライン化が緊急に実施した対策として上位に入っているのは、これまでの日本企業の営業活動を見ると当然のことである。

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