Microsoftは数年前、開発者向けカンファレンスの「Build」で「Conversation as a Platform(プラットフォームとしての会話)」を中心に据えた発表を行った。2020年のBuildでも、ボット関連でいくつかの発表が行われたが、今回は以前と比べれば目立たない形になっている。
Buildでは、仮想アシスタントのセットアップとカスタマイズを簡単に行えるようにする製品である、「仮想アシスタントソリューションアクセラレータ」の一般提供開始が発表された。それに伴い、カレンダーやTo-doリストなどの新しいスキルもいくつか追加された。仮想アシスタントアクセラレータはオープンソースとしてGitHubで公開されている。
また、「Bot Framework Composer」の一般提供が開始されたことも明らかになった。Bot Framework Composerは、ユーザーがコードを書かずに会話型のボットを構築できるようにするための仕組みだ。
Microsoftは、Bot Frameworkに他のボットを再利用してスキルとして追加する機能を追加している。これは、全体としてのボットの数を抑えるための工夫だ。Bot Framework Composerで構築したスキルは、コードを書かずにカスタマーサービスエージェントボットを作成するための製品である、「Power Virtual Agents」からも利用できる。また同社は、Azure Bot Serviceでのボットから人間の担当者への引き継ぎについても単純化し、この機能を実現するためにユーザー企業が複雑な機能を実装する負担を軽減しようとしている。
「Bot Framework Software Development Kit」のバージョン4.9のリリースも発表された。バージョン4.9では、多くの新機能や新しいAPIが導入され、「Adaptive Dialogs」も一般提供段階になった。Adaptive Dialogsは、1つの会話内で文脈を切り替えることができるボットの作成を支援することを目的としたものだ。Microsoftによると、Bot Framework SDKは「Microsoft Teams」との統合も強化されている。
また、SDK 4.8以降を利用することで、Bot Frameworkを「Alexa」に接続できるようになっている。Alexaのスキルはすでに数え切れないほど存在するが、これまで、MicrosoftのBot Frameworkのツールを使ってAlexaのスキルを作る公式な手段は提供されていなかったとみられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。