アイ・ティ・アール(ITR)は7月16日、国内電子契約サービス市場の規模と予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度の83.5%増の36億7000万円。導入企業、参入ベンダーの増加で急成長し、2019年度も70.0%増と成長が継続するという。
電子契約は、書面契約と異なり契約書の印刷、押印、封入、郵送などが不要。業務効率化、郵送代削減などへの期待から注目が集まっているという。2020年6月には内閣府、法務省、経済産業省がテレワーク推進のため契約書への押印不要の見解を示している。
新型コロナウイルス感染症対策として、書面での契約業務のために出社が必要な状況の改善、テレワークで契約できる環境整備を進める企業が増加。
パンデミック、自然災害発生を想定した事業継続の観点からも有効で、書面と印鑑を廃止、電子契約を導入する企業が急増すると予測。2018~2023年度の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は40.1%、2023年度に200億円に迫るという。
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ITR シニア・アナリストの三浦竜樹氏は、「ITRが2020年4月24~27日に実施した『コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査』では、コロナを機に『社外取引文書(契約書など)の電子化対象拡大』を実施予定と回答した企業が36%に上り、新規導入企業が増加する。また、電子契約サービスの多くは契約書の枚数ベースでの課金となり、導入企業の投資拡大も見込んでいる。コロナ第2波への準備、政府の法整備が進むことで電子化される契約書はさらに拡大し、スピードも今まで以上に加速する」とコメントしている。