エフセキュアは7月21日、クラウドサービス「Microsoft 365」のEメールを使用するユーザー向けの新製品「F-Secure Cloud Protection for Microsoft Office 365」を日本で提供すると発表した。Microsoft 365上のアイテム(メール、タスク、予定など)と有害コンテンツのURLをスキャンする機能や不審なファイルをサンドボックスで動的に解析する機能、クラウド間のシームレスな統合機能などを備える。
概要を説明したサイバーセキュリティ技術本部 プロダクトマーケティング マネージャの神田貴雅氏は、新製品が同社の製品ポートフォリオの中で「クラウド保護」に当たるもので、2017年にリリースされたSalesforce.com向けの保護製品「Cloud Protection for Salesforce」のMicrosoft 365版という位置付けだとした。
「Eメールは依然として主要な攻撃手段の一つ」だと同氏は説明。さらに「レガシーのメールセキュリティでは、内部メールやウェブベースのアプリを介して侵入してくる脅威からは保護できない」といい、「従来のセキュリティツールは、クラウド導入に伴う独自の課題に対応するために設計されたものではない」といった問題があることを指摘した。
Microsoft 365は2億5800万件の法人向けメールボックスを持つ人気のクラウドサービスであるという。そのため、攻撃対象として最も狙われるシステムであり、適切な保護ソリューションの導入が必要である。一方で、Microsoftが提供するセキュリティ機能は単体のものではなく、さまざまな機能とのパッケージになっており、どのプランを購入すべきかが分かりにくいなどの問題もあるという。
エフセキュアでは、Cloud Protectionを、Microsoftが標準で提供する一般的な脅威に対応するセキュリティ機能の一部から高度な脅威や標的型攻撃などまで対応し、標準のセキュリティ機能と組み合わせて運用することを想定したものだと位置付けた。
なお、価格はユーザー数によって異なるが、同社が主なターゲットとする「500人以上の中堅中小企業から上の層」(神田氏)に相当する500~999ユーザーの場合は1ユーザー当たり2500円、100~499ユーザーの場合は同2600円(いずれも年額、税抜き)となる。なお、同社では2020年9月30日まで90日間の無償トライアルキャンペーンも行う。8月1日から受注開始の予定で既存の販売チャネルを通じて提供される。