第一生命保険と富士通は、「AI保障設計レコメンドシステム」を共同開発したと発表した。年間で担当者1人当たり約120時間に相当する作業も効率化されるといい、第一生命は業界初の取り組みとして7月3日に単独特許を出願した。
新システムは、第一生命の「生涯設計デザイナー」が過去に作成した約1700万件の保障設計データを人工知能(AI)に機械学習させ、契約者の加入中の情報と契約者が重視したい保障内容や保険料の予算などをもとに、「3大疾病等重視プラン」「死亡重視プラン」「病気・ケガ重視プラン」などの保障プランを自動作成する。これまで生涯設計デザイナーが行ってきた提案プロセスをAIで支援し、経験の浅い担当者でもコンサルティング力の高度化・品質の均質化を可能にするという。
従来は、生涯設計デザイナーが1日の業務時間内で保障プランの作成に約1~2時間を割いていたという。今回のシステムを利用することで約30分になり、年間では約120時間の短縮効果になる、これによって生涯設計デザイナーは、空いた作業時間をより高度な業務に割り当てあり、スキルの向上などに取り組んだりできるようになる。
富士通は、今回のシステムでAI学習モデルの構築とアプリケーションやクラウド基盤の開発支援および運用を担当している。AI学習モデルは、生涯設計デザイナーのノウハウを定量的に評価し、ひな型となるモデルを定義して、過去の成約状況から妥当性や有効性を検証するサイクルを繰り返す手法で構築したという。
また、AIモデルの“ブラックボックス化”を回避するために、モデル化した生涯設計デザイナーのノウハウと保障プランの生成・評価を実施する複数のAIモデルを組み合わせているという。
「AI保障設計レコメンドシステム」による提案イメージ(出典:第一生命保険)