海外コメンタリー

史上最強のゴルファーは誰に?--データ分析やAI活用、バーチャル全英オープンの試み

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-08-04 06:30

 あなたなら、感染病が広がり、世界中でもっとも待ち望まれているゴルフトーナメントが開催できなくなったらどうするだろうか?全英オープンの主催者であるR&Aが導き出した答えは、データと動画を組み合わせて、過去50年間の偉大なゴルファーを集めたバーチャルトーナメントを開催するというものだった。

 この試みは本物の全英オープンの代わりにこそならなかったが、これまでは考えられなかった楽しみをゴルフファンに提供した。過去50年間の偉大なゴルファーたちが、1つの大会で戦う姿を観戦するという楽しみだ。

 「The Open for the Ages」と名付けられたこのイベントは、もともと第149回の全英オープンが予定されていた現地時間7月16~19日に開催された。このイベントでは、過去の動画を利用することで、Seve BallesterosやTiger Woods、Rory McIlroy、Jack Nicklaus、Tom Watsonなどの往年の名選手を含む偉大なゴルファーたちが参加する大会を、データを元に再現した。

 仮想的に生み出されたトーナメントはまるで本物の全英オープンのように見えた。自宅でこのイベントを見ていた視聴者には、16~18日に最初の3ラウンドが放送されるとともに、インプレークリップ、ライブリーダーボード、プレー終了時のハイライトなどが提供され、日曜日の7月19日には最終ラウンドの様子が放送された。優勝者はその放送の中で明らかになった。

 担当者が抱えていた技術的、時間的な制約を考えれば、このトーナメントの開催は並大抵のことではなかった。このプロジェクトは英国がロックダウン中だった4月24日に発案されたもので、担当したチームは、見た目がそれらしいだけでなく、結果ももっともらしく感じられるものを短期間で作り上げる必要があった。

 50年分の大会のハイライトに関するデータや動画を1つにまとめることは、簡単な作業ではなかった。全英オープンの主催者であり、ゴルフ競技の世界的な総本山でもあるR&Aの最高技術責任者(CTO)Steve Otto氏は、その作業をさらに難しくしたのは、ゴルフではこれまで、利用可能な情報を十分に活用してこなかったことだったと語った。

 「ゴルフは非常に情報の多い競技だが、おそらく今はまだ、そのデータを最大限に生かすことはできていない」と同氏は言う。「収集されているデータは多いが、その多くは分断されている。もっとデータの統合と管理を進めて、より効果的に利用できるようにすべきだろうし、将来的には人工知能(AI)のような技術と組み合わせて使用できれば望ましい」

R&AのCTO、Steve Otto氏
Otto氏「ゴルフは非常に情報の多い競技だが、おそらく今はまだ、そのデータを最大限に生かすことはできていない」
提供:R&A

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