本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、KPMGコンサルティングが提供する「RPAクイック診断サービス」を取り上げる。
RPA導入済みの企業へ業務自動化の加速やROI 改善策を提案
KPMGコンサルティングは先頃、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を導入している企業を対象に、RPA推進アプローチの診断、改善策を織り込んだロードマップの策定をフルリモートワーク下により4週間で実施する「RPAクイック診断サービス」の提供を開始した。
現在、多くの企業がRPAを活用した業務自動化に取り組んでいるが、「期待していたほど効果が出ない」「人工知能(AI)や光学文字認識(OCR)を併用して業務の効率化を図りたいがどう使えばよいか分からない」といった、投資効果(ROI:Return on Investment)や自動化範囲拡大について課題を抱えている企業が少なくない。
今後は、新型コロナウイルス感染症の広がりを契機に、企業経営における業務自動化の重要度が一段と高まり、さらに厳格なROI管理とリモートワーク下での推進が必要になると想定される。
KPMGコンサルティングは新サービスによって、既にRPAを導入している企業を対象に、さらなる業務自動化の加速やROIの改善を目的として、RPA推進アプローチを診断し、改善策を織り込んだロードマップの策定を全4週間で実施する。国内だけで数百にわたるプロジェクト実績を体系化したベストプラクティス「TOM」(Target Operating Model)を活用して診断し、リモートワーク体制下での支援を可能としている。(図1)
図1:支援スケジュール(出典:KPMGコンサルティング)
RPAクイック診断を実施することにより、業務自動化にかかるROIを改善し、リモートワーク下でも業務自動化を推進するための施策を立案することが可能だ。さらに、施策の優先順位と時間軸を考慮したロードマップを策定することによって、生産性向上や高付加価値業務へのシフトを実現する道のりを明らかにし、自社におけるさらなる業務効率化の推進を支援する。
同社は、ビジネスプロセスを中心にそれらを実行する人や社内外のシステムおよびデータなどをプラットフォームで連携することで、各種ツールやシステムで自動化された業務の連続性を保ち、多岐にわたる業務プロセスを統合管理する「IA」(Intelligent Automation)により、攻めの業務効率化と守りのコンプライアンス向上の両立に加え、継続改善を仕組み化することを目指している。
図2:KPMGコンサルティングが提唱する「IA」の全体像(出典:KPMGコンサルティング)