RPAを活用した業務自動化の方法論と独自の仕組みで問題解決へ
以上が発表の概要だが、今回この新サービスを取り上げたのは、既にRPAを導入している企業を対象にしたユニークな取り組みだからだ。
このサービスには、重要なキーワードが2つある。TOMとIAだ。これらの言葉の意味について、もう少し説明しておこう。
TOMとは、RPAを活用した業務自動化の方法論だ。図3が、その要素となる。
図3:RPAを活用した業務自動化の方法論「TOM」の概要(出典:KPMGコンサルティング)
ポイントとなるROIの改善については、効果創出にはプロジェクト全体のROIを踏まえた業務選定基準を設けること、および、隣接部門や前後のプロセスを含めて広く自動化することが有効となる。また、費用抑制には四半期または半期ごとに対象業務数に応じてプロジェクト体制の規模を見直すことや、外注する場合は開発や運用の生産性向上を加味した単価で契約することが有効となる。
また、効果拡大のポイントとしては、単一部門または単一業務の自動化に留まることなく、複数部門を横断して、前後の業務に範囲を広げて自動化することが有効となる。さらに、紙運用や非定型作業を含む業務にOCRやAIを併用することで、自動化する業務の種類を増やすことも有効である。
なお、リモートワーク下でRPAを推進するためには、技術的な要件とともにセキュリティおよび運用ルールにかかる要件を満たす必要がある。
一方、IAとは、先述したように、多岐にわたる業務プロセスを統合管理することである。RPAやAIはその重要な要素であることから、同社は今回の診断サービスを通してRPAやAIの導入状況を明確化し、生産性向上や高付加価値業務へのシフトにより、企業のビジネス活動の活性化を支援していく構えだ。
こうした方法論と仕組みが、今回の新サービスのポイントである。コンサルティング会社ならではの緻密なサービスといえるだろう。