新型コロナウイルス感染症の影響で自動車業界は、これまで以上に地球温暖化対策への意識が世界的に高まってきているという。特に電気自動車(EV)へのシフトが欧米で強くなってきており、7月に米Teslaの株式時価総額がトヨタ自動車を上回ったこともそれを裏付ける形となっている。
1997年の国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された京都議定書では、気温が1~2度上昇するだけでも感染症の流行リスクが高まると予測されていた。2007年のIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書で、子どもや高齢者などは地球温暖化への適応能力が相対的に低く、死亡、疾病、障害などを被る人の数が増加すると予測していたのである。
注意しておきたいのは、欧米企業がEVなどへの取り組みを従来のCSR(企業の社会的責任)だけでなく、収益化の視点でとらえる傾向が強まっていることにある。
EV向けにFPGA(Field Programmable Gate Array)など半導体製品を提供するインテルの事業開発・政策推進ダイレクターを務める野辺継男氏は「自動車産業やモビリティー産業における従来の成長の前提が新型コロナウイルス感染症によって変化する」としており、EVやMaaS(Mobility as-a-Sservice)への取り組みを加速する必要があるとしている。
TeslaがAR(拡張現実)技術で工場の生産効率を改善する特許を出願するなど、EVはガソリン車とは全く異なる製造工程を経る。自動車業界は関連部品や製品、サービスを含めて裾野が広いため、大きな流れを確認しておく必要がある。TeslaなどEVにおけるIT活用に関連する記事を集めた。