松岡功の一言もの申す

ワークデイのパートナー提携拡大にみる「HCM市場競争の行方」

松岡功

2020-08-27 10:15

 人事管理を中心としたHCM(Human Capital Management)をクラウドサービスで提供するWorkdayが、パートナー企業との提携拡大に注力している。その動きから、HCM市場競争の行方を探ってみると、新たな勢力争いの構図が見えてきた。

IBM、Microsoft、Salesforceと相次いで提携強化

 Workdayは米国時間8月12日、IBMとの提携強化を発表した。ウィズコロナからアフターコロナに向けて従業員の職場復帰を計画する企業を支援するため、スケジュールを立ててモニタリングするソリューションを、両社のサービスを組み合わせて提供しようというのが強化内容である。

 詳しい内容は発表資料をご覧いただくとして、WorkdayとIBMは2016年8月にグローバルで戦略的パートナーシップを結んでおり、2019年6月には両社の日本法人も国内でのリセラー(再販)契約を締結している。

 この時の日本法人同士の共同記者会見を受けた本連載記事(2019年7月4日付け「ワークデイとリセラー契約を結んだ日本IBMの思惑」)もあるので参照していただきたい。

 ただ、この動きだけならば、「IBMがWorkdayのHCMを推している」だけの話だが、実はWorkdayは米国時間5月27日にもパートナーとの提携強化で興味深い2つの発表を行っている。1つがMicrosoft、もう1つがSalesforce.com(以下、Salesforce)との関係である。

 いずれも上記のIBMとの提携強化と同様、コロナ対策がきっかけだが、MicrosoftとはIBMと同様にグローバルでの戦略的パートナーシップを結んだ格好だ。Microsoftとの関係は関連記事、Salesforceの関係は発表資料をご覧いただきたい。

 Workdayが8月25日にオンライン形式で開催した日本向けのプライベートイベント「Workday Elevate Digital Experience」においても、同社APJ(アジア太平洋地域および日本)担当プレジデントのDavid Webster(デビッド・ウェブスター)氏が主催者スピーチで、IBM、Microsoft、Salesforceとの提携強化について説明し、「当社は今後もなお一層、パートナーエコシステムの拡充に尽力していく」と力を込めた。(写真1)

「Workday Elevate Digital Experience」でスピーチするWorkday APJ担当プレジデントのDavid Webster氏
「Workday Elevate Digital Experience」でスピーチするWorkday APJ担当プレジデントのDavid Webster氏

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]