Box Japanは9月25日、記者説明会を開催。クラウドストレージ「Box」でワークフローを自動化できるとともに業務プロセスを管理する機能「Box Relay」に追加された新機能を解説した。
Box Relayは2019年6月に提供を開始し、これまで多くの機能を積み重ねている。今回新たにファイルイベントとして「分類の適用」と、手動でトリガーを開始する機能を備えた。
Box Japan 執行役員 マーケティング部 部長 三原茂氏
Box Japan 執行役員 ソリューションエンジニアリング部 部長 西秀夫氏
執行役員 マーケティング部 部長 三原茂氏は「効率よく仕事をするために、コンテンツは基本的に動かさない。セキュリティの担保や効率性の向上につながる」とBox Relayの強化理由を説明した。
コロナ禍においてクラウドサービスの有用性は誰しもが理解するところだ。書類の送付や押印のためだけに出社を強いられるケースは、ナンセンスといわざるを得ない。
とある製造系企業(従業員数約3000人)では、政府が2020年4月に発令した緊急事態宣言下でBox Relayの活用が大幅に拡大したという。発令前の同社は月初に若干のBox Relay利用が確認される程度だったが、4月以降は上長決裁や部門長の決裁が必要な文書、開発依頼書などの部門間に渡る文書フローにBox Relayを活用し、「ハンコリレーが必要な場面をBox Relayに置き換えた」(Box Japan 執行役員 ソリューションエンジニアリング部 部長 西秀夫氏)
一般的なワークフローはユーザー部門に対する現場ヒアリングを踏まえて要件を定義してから、開発に着手するため、ユーザー部門のテストに至るまで時間を要する。だが、Box Relayの場合、「IT部門がコンソールで機能を解放し、ユーザー部門がテンプレートを用いて作成し、利用を開始できる」(西氏)と迅速な対応が可能だと強調した。
2019年8月にはメタデータの更新、同9月は拒否時のルート設定など、ほぼ毎月新機能を実装してきたBox Relayだが、西氏は「操作が簡単や高度な柔軟性、透明性と管理を実現できる」と主張する。たとえば上長による承認プロセスが必要な書類を作成する場合、ファイルをアップロードするとタスクを割り当てた上長に自動で通知され、コメントを付与した承認や破棄といった処理をPCやスマートフォンで実行できる。
このように業務プロセスの自動化やコンテンツの保護に焦点を当てたクラウドストレージであるBoxは、コロナ禍でも利用者数が増加しているという。2020年第4四半期(2020年1月末)時点の導入企業は約5900社だったが、2021年第1四半期(2020年2月~)は約6600社、直近の同第2四半期(2020年5月~)は約7300社まで拡大した(2020年7月時点)。三原氏は「グローバルの導入企業は10万社超。コロナ禍による働き方の変化がプラス成長を後押しした」と説明する。
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とある企業は人事採用にBox RelayとBoxの標準機能である「File Request」を連携させて、応募職種に応じた履歴書の振り分けと採用担当者の任命を自動化させている。導入前は人事部門が受け取ったメールを担当者が確認し、採用担当者に主導で振り分けていたが、一連の過程を自動化することで人事部門の業務負担を軽減。さらにスマートフォンで撮影した動画を自己PRに用いる若者文化に対応することで、リッチな人材採用手法を実現したという。