デジタルドキュメントへの移行を進めよ--新政権と同期した大塚商会の取り組み - (page 2)

松岡功

2020-10-01 07:00

日本企業のデジタル化の「底上げ」効果を期待

 大塚商会ではこれまで述べてきた背景のもと、ドキュメントに関する顧客の課題解決に向け、社内ノウハウを活用した提案活動などの取り組みをさらに強化するため、この10月よりマーケティング本部内にデジタルドキュメントの推進を行う新組織を設けて活動を始めた。

 新組織は、電子帳簿保存法、電子署名法、今後のeシール、インボイス制度などの各分野、業界の法的知識を備え、会計士や税理士とのアライアンスを強化し、業界ごとの業務を深く理解していることを特長としている。

 さらに社内ノウハウを踏まえたデジタルドキュメントのコンサルティング体制も強化する。加えて、中堅中小企業向けには、市場に複数存在するデジタルドキュメント関連商品、サービスなどを横断的に把握し、顧客に最適な複合提案をこれまで以上に推進していく構えだ。

 以上が発表の概要だが、今回、大塚商会のこの取り組みに注目したのは、デジタルドキュメントへの移行に向けて政府も本格的に動き出したところで、非常にタイミングが良いと感じたからだ。

 デジタル化を看板政策に掲げる新政権では早速、行政ドキュメントにおいて「ハンコをなくせ」「紙やファクスをなくせ」といった論議が巻き起こっている。この動きは民間企業へも波及し、ドキュメントのデジタル化に始まって、業務プロセス、ひいてはビジネスモデルそのものをデジタル化するDXへの取り組みが広がっていくだろう。

 大塚商会にとってもデジタルドキュメントへの取り組みは、これまで述べてきたように社内で蓄積してきたノウハウをビジネスとして一層拡大させるチャンスであり、同社の「一丁目一番地」だ。また、多くの中堅中小企業を顧客に持つ同社が、専任組織を設けてコンサルティングも強化することで、日本企業のデジタル化の「底上げ」にも効果が期待できるだろう。

 人材が確保できるならば、この分野のコンサルティングを独立した組織にして、全国をフットワーク良く動けるようにすれば、もっと大きな効果が得られるのではないか。せっかくの期待される動きなので、そんな提案をしておきたい。

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