導入の結果、ICカード取込機能や交通費検索サイトとの連動によって、交通費のチェックが不要になった。勘定科目との連携、税区分、手当、日当などのチェックも自動化。役職ごとでの日当、単価やレートなども設定できるため、経理での作業工数が大幅に削減されたという。
さらに、領収書を添付しないとエラーになるように設定でき、申請者の間違い自体が減少。差し戻しが発生してもワンクリックで本人に戻せ、その後の作業工程もデジタル化。経費精算プロセス全体の工程が簡略化された。
管理部門の上地氏
それらの結果、差戻処理の発生が2割程度までに減り、チェック業務の削減も含めて部門での精算業務が月当たり30時間削減できたという。精算業務を担当するプロトソリューション管理部門管理部経理の上地まゆみ氏は、「かつて月次決算処理の際は、3人の経理担当者が一斉に取り掛からないと終わらない状態だったが、現在はそれぞれ手が空いたときに作業をすれば処理できるようになっている」と導入効果を語る。
クラウド展開が経理部門のテレワークを後押し
2020年になり、新型コロナウイルス感染症の影響でプロトソリューションでも一時期全社的なテレワーク体制に移行したが、その際にも楽楽精算が機能した。「昔の状態では経理担当者はテレワークができなかった」と新家氏は語る。同社では、会計と販売のシステムはクラウド型ではないので、自宅で作業をする際には仮想私設網(VPN)で直接つなぐ必要がある。
「当時はVPNにアクセスが集中し、なかなか会計システムにつながらなかった。楽楽精算はクラウドサービスなのでインターネットにつながりさえすればよく、精算業務は支障なく行えた」(同氏)という。
精算業務に加え、楽楽精算の会計ソフト連携機能を活用。「稟議書の支払依頼の機能を利用して請求書を楽楽精算に入力しておけば、会計システムに取り込むだけで自動的仕分けや支払処理ができる。会計システムとは別の予備的な会計システムの機能があったことで、テレワーク中も特に支障なく業務が行えた」(新家氏)とする。
元々沖縄には、コロナ以外にも台風災害という問題がある。以前は欠勤となり、締め日も遅らせざるを得なかったが、導入後は台風が直撃しても全員が自宅からリモートで締め作業できたという。
電子帳簿保存法対応と購入業務への適用を視野に
今後プロトソリューションでは、経理部門のIT化を進めるにあたり、10月に施行された改正電子帳簿保存法への対応や物品購入業務での活用を検討しているという。
「会計帳簿は電子化保存対応をしているが、領収書や請求書、書類関係の電子化には対応していないので、現場の利便性を見極めつつ対応を検討していく。また楽楽精算ではAmazonで購入したものをシステムに落として経費計上できるので、楽楽精算と他のシステムとの連携機能も活用していきたい」(新家氏)