Microsoftは米国時間11月10日、「.NET 5.0」を正式リリースした。開発プラットフォームである.NETの、最新のメジャーバージョンだ。.NET 5は、OS、ウェブ、フォームファクターなどによって別々に展開されてきたさまざまな種類の.NETを統合するという、Microsoftが掲げた目標に向けた重要な一歩だと言える。.NET 5の一般提供が公式に発表されたのは、オンラインで開催されたイベント「.NET Conf 2020」の1日目だった。
提供:Microsoft
同社は、同日投稿されたブログ記事で、「.NET 5.0では統合のビジョンを全て実現するつもりだったが、世界的な新型コロナウイルス感染症のまん延を受けて、顧客のニーズの変化に合わせる必要があった」と述べている。
発表によれば、現時点では、.NET 5.0のソフトウェア開発キット(SDK)にARM64版WindowsのWindows Desktopコンポーネント(「Windows Forms」と「WPF」)は含まれていない。Microsoftは、将来のサービスアップデートでARM64版Windows用のWindowsデスクトップパックを追加するという。現時点では、ARM64版WindowsのSDKはコンソールとASP.NET Coreアプリケーションに対応している。
残念ながら「Xamarin」の開発者は、.NET 6.0が2021年にリリースされるまで、統合された.NETプラットフォームを最大限に生かすことはできない。Xamarin.Formsの発展形であり、1つのプロジェクトとコードベースで、モバイルとデスクトップの両方に展開できるようにすることを目的としたマルチプラットフォームネイティブUIである「.NET MAUI」は、2020年中に公開予定の.NET 6のプレビュー版に入る予定になっている。
Windowsチームは、独自の統合プロジェクトである「Project Reunion」に取り組んでいるが、この日の発表で、.NETチームが.NET5.0以降が「WinUI」および「WebView2」でも利用できるようにProject Reunionのチームと連携を取っていることも明らかにされた。.NETチームは、この作業の一環として、WinRTのAPIを.NET 5の一部としてサポートする新しいモデルに移行したという。それに伴って、.NET 5の.NETランタイムから、従来のWinRT互換システムが削除された。これは、.NET Core 3.XでWinRTを使用しているアプリはそのままでは動作せず、リビルドが必要になることを意味している。
.NET 5.0は既にダウンロードできるようになっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。