福井県を中心に行政・自治体・教育機関向けソリューションを提供する福井システムズは、同社データセンター「infoaxis DC」で稼働するクラウド基盤の仮想マシン用バックアップツールとして「Veritas NetBackup Appliance」を採用した。infoaxis DCでは、住民情報システムなど自治体の各種システムを支える自治体向けプライベートクラウドをサービス提供している。
現在、自治体の各種システムが稼働するクラウド基盤でNetBackup Applianceのテスト運用を実施している。仮想化ソフトウェア「VMware ESXi」を用いて物理サーバー5台の上で約80台の仮想マシンを運用し、仮想マシンデータはファイバーチャネル接続の共有ストレージで管理している。NetBackup Applianceは、それらストレージを対象にバックアップをするとともに、別のデータセンターに配置したNetBackup Applianceにも遠隔地レプリケーションを実行している。
この環境の下で、バックアップ取得時間は従来機のおよそ半分かそれ以下の約3時間を達成した。バックアップエラーは一切なく、全ての処理を短時間で確実に実行しているという。またバックアップのデータサイズを最大50倍節約でき、帯域幅利用率を最大99%節約できたとしている。日中に実施していたレプリケーションを、夜間に実施するだけで終了できるようになり、仮想マシンの迅速な復旧、復旧シミュレーションなどの機能も実施できるようになった。
同社はこれまで、クラウド基盤の仮想マシンに対し、他社製のバックアップ専用機を使用してきたが、仮想マシンの数やデータ量の増大とともにバックアップ作業が顧客である自治体の開庁時間の間際まで終了しないなどの事態が発生していた。また、従来機では、リストア/リカバリーにバックアップと同等の時間がかかることが増えたため、自然災害など万一に備え、迅速な事業復旧と継続ができるバックアップシステムが検討されていた。
さらに確実な事業継続の確保に必要とされる定期的な復旧訓練が実施しづらいことも課題であったため、バックアップデータを確実かつ迅速に戻せるかどうか、いつでも容易にシミュレーションできる仕組みを構築したいと考えていたという。
NetBackup Applianceについて、同社は具体的な節約の効果だけでなく、管理画面が見やすく操作のレスポンスが速いと評価しており、運用の効率化によって顧客向けサービスの充実にもリソースを振り向けられるようになったとしている。