アビームコンサルティングは12月14日、同社が実施した日本企業のデジタル変革(DX)に関する調査について、発表会を開催した。同調査は10月30日~11月3日、年商1000億円以上の企業でDXの意思決定に関与する部長職以上を対象に行い、515人から有効回答を得た。
まず「DXで取り組んでいるテーマのうち、最も重要なものは何か」との問いでは、新規事業の創出」「顧客接点のデジタル化」「新サービス/製品開発」などの回答が目立った(図1参照)。
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また、これらのテーマごとにDXの成果を回答者に自己採点してもらい、同社では90点以上の企業を「成功」、80点以上90点未満の企業を「中間」、80点未満の企業を「失敗」として分類。その結果、テーマに関係なく大半の企業がDXの取り組みに失敗していると分かった(図2参照)。
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同社では、DXの成功と失敗を分ける要因を分析。「ビジョン/戦略」「DXの進め方/アプローチ」「リテラシー」「リーダーシップ」「体制」の5項目で実施状況を得点化したところ、DX成功企業はどの項目も点数が高い一方、失敗企業は全項目で成功企業を下回った(図3左を参照)。
成功企業と失敗企業における達成度のギャップをランキングで表すと、上位3つは「全社員へのデジタル教育をしているか(リテラシー)」「DXの意思決定は、デジタルの知見がある経営陣が行っているか(リーダーシップ)」「DX推進組織には、デジタルとビジネスに知見のある人が両方いるか(体制)」だった。同社は、これら3つを「DXの成功と失敗の分岐点」としている(図3右を参照)。
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詳しく見ると、「全社員へのデジタル教育をしているか」では成功企業の58.8%が「当てはまる」と回答し、「どちらかと言えば当てはまる」を合わせると、そのほとんどが実施できていると分かる。これに対し、「当てはまる」と答えた失敗企業は18.3%だった(図4参照)。
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