電通国際情報サービス(ISID)のオープンイノベーションラボ(イノラボ)は、ITID、横浜みなとみらい21と共同で、多様な市民の声を拾い上げ、政策に反映させるデジタル基盤「Decidim(ディシディム)」の実証実験を実施している。期間は2020年12月~2021年3月を予定しており、横浜市内で行っている。
Decidimは、スマートシティーの取り組みで先行するスペイン・バルセロナ市など欧州を中心に幅広く利用されているという。イノラボは同基盤の日本市場向けローカライズを行い、合意形成プロセスデザインの確立と有用性の検証を目指している。
同実証実験は、企業の研究開発拠点やスタートアップ、大学などが続々と進出し、イノベーションエリアの環境づくりに取り組んでいる、横浜都心臨海部(横浜駅〜みなとみらい21〜関内周辺地区)において実施する。同エリアをハブとして横浜内外における「イノベーション創出に向けた民間主体の取り組み」を決定するための合意形成手法として、Decidimを試験的に利用する。
検証の流れ(出典:ISID)
同基盤における議論は「施策に対する意見収集」「意見の整理、構造化、妥当性検討」「検討案の内容と実施優先度に対する合意形成」という3つのフェーズで構成され、各フェーズにおける議論に対する支持率をはじめとする各種指標も参考にしながら進める。
検証のポイントは、Decidimの活用で多くの参加者が議論に参加できたか/意見を集約することができたかどうか、議論の透明性担保や多様な参加手段の提供が参加者のシティーエンゲージメント(街に対する思い入れ)の向上に寄与したかといったことがある。