クラウドベースのファイル共有サービスを提供するDropboxが、組織の合理化と優先分野への集中を進めるため、従業員の約11%に相当する315人を解雇する。同社は米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、最高業務執行責任者(COO)のOlivia Nottebohm氏が米国時間2月5日に辞任することも明らかにした。
Dropboxの最高経営責任者(CEO)Drew Houston氏は、SECに提出した書類に含まれる従業員向けメモの中で、従業員の一時解雇は中核サービスの使い勝手の改善、分散型チーム向けサービスの開発といった重要な活動に集中するために欠かせないものだと訴えた。
「昨年春、2020年は雇用を確保すると全員に約束した。私にとって、この約束を守ることは重要だった」と、このメモの中でHouston氏は述べている。「しかし2021年以降を見据えると、ビジネスの健全な成功のために変化が必要であることは間違いない。この1年間、会社を規律正しく運営し、成長を次の段階に進める準備を整えることの重要性について議論を重ねてきた。成長のためには、会社の戦略的優先事項と密接に連動した活動に焦点を絞り、それ以外の活動からは断固として撤退しなければならない。残念ながら、これは一部のチームの規模を縮小することを意味する」
Dropboxは2020年10月、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の終息後もリモートワークを従業員の標準の働き方とすることを発表している。
この「バーチャルファースト」宣言に基づき、同社は現在のオフィスを共同作業の促進とコミュニティ構築のために従業員同士が集うことのできる「Dropbox Studios」に転換することを目指している。また、従業員の柔軟な働き方を促進するために、タイムゾーンが異なっても共同作業ができるような仕組みを設けるなど、自分に合ったスケジュールで働くことも奨励している。
「今回の措置は痛みを伴うが、必要なものだ。先日発表した新しいリーダーシップとリモートワークに関する方針により、われわれは今、正しい方向に向かっている。次は、この方向性に合わせてチームと投資を見直していかなければならない。例えばバーチャルファーストの時代には、オフィス環境を維持するために必要なリソースは以前より少数になる。今後はこの分野の投資を縮小し、野心的な製品ロードマップの推進にリソースを再配分していく」とHouston氏は述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。