PTCジャパンは1月21日、SaaS型製品開発プラットフォーム「Onshape」の日本語版が完成したことを発表した。米本社PTCは2019年11月にOnshapeの買収を完了して自社サービス化した。
Onshapeはコンピューター上で設計する“CAD”ツールにデータ管理やコラボレーションなどをまとめて利用できるクラウドサービス。国内ではSB C&Sと大塚商会が取り扱う。

PTCジャパン 代表取締役 兼 PTC Asia 太平洋地域統括責任者 桑原宏昭氏
同社は明確なSaaS戦略を掲げており、PTCジャパン代表取締役(PTC Asia 太平洋地域 統括責任者を兼務)桑原宏昭氏は「AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドに、SaaSで必要な共通ファンクションをミドルウェア『Atlas』として搭載。その上にOnshapeなどのアプリケーションを乗せていく」と説明した。
既存ソフトをSaaSで提供
PTCは1985年の創業以来、合併買収を重ねることで拡大してきた企業である。前述したOnshapeに続いて、2020年12月にArena Solutionsの買収を発表しているが、桑原氏は「昨日買収が完了した。(Arena Solutionsは)優れたPTC(製品ライフサイクル管理)とQMS(品質マネジメントシステム)を持つ企業」と説明しつつ、CADソフト「Creo」やPLMソフト「Windchill」、IoT向けアプリケーション開発プラットフォーム「ThingWorx」のSaaS化が予定されていることを明かした。また、時期は未定だが、Atlas SolutionsのアプリケーションもAtlasに統合されていくことが考えられる。

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PTC シニアバイスプレジデント Onshape営業統括 Stuart Heavyside
米本社シニアバイスプレジデントでOnshape営業統括のStuart Heavyside氏はOnshapeについて、「オールインワンの製品プラットフォーム」が特長と説明。多くの企業は「ワークステーションやサーバーの保守管理を必要とし、IT管理部門は複雑なIT環境に悩まされている。また、グローバルサプライチェーンのコミュニケーションも(コロナ禍による)リモートワークで難易度が増した。そして顧客企業は他社に対する優位性を高めるため、カスタマイズ済み製品の迅速な対応を求めている」(Heavyside氏)。この課題を解決するのがOnshapeだと説明する。