PTCジャパン、CADにデータ管理や共同作業などが利用できるクラウドを提供

阿久津良和

2021-01-22 06:45

 PTCジャパンは1月21日、SaaS型製品開発プラットフォーム「Onshape」の日本語版が完成したことを発表した。米本社PTCは2019年11月にOnshapeの買収を完了して自社サービス化した。

 Onshapeはコンピューター上で設計する“CAD”ツールにデータ管理やコラボレーションなどをまとめて利用できるクラウドサービス。国内ではSB C&Sと大塚商会が取り扱う。

PTCジャパン 代表取締役 兼 PTC アジア太平洋地域統括責任者 桑原宏昭氏
PTCジャパン 代表取締役 兼 PTC Asia 太平洋地域統括責任者 桑原宏昭氏

 同社は明確なSaaS戦略を掲げており、PTCジャパン代表取締役(PTC Asia 太平洋地域 統括責任者を兼務)桑原宏昭氏は「AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドに、SaaSで必要な共通ファンクションをミドルウェア『Atlas』として搭載。その上にOnshapeなどのアプリケーションを乗せていく」と説明した。

既存ソフトをSaaSで提供

 PTCは1985年の創業以来、合併買収を重ねることで拡大してきた企業である。前述したOnshapeに続いて、2020年12月にArena Solutionsの買収を発表しているが、桑原氏は「昨日買収が完了した。(Arena Solutionsは)優れたPTC(製品ライフサイクル管理)とQMS(品質マネジメントシステム)を持つ企業」と説明しつつ、CADソフト「Creo」やPLMソフト「Windchill」、IoT向けアプリケーション開発プラットフォーム「ThingWorx」のSaaS化が予定されていることを明かした。また、時期は未定だが、Atlas SolutionsのアプリケーションもAtlasに統合されていくことが考えられる。

PTC シニアバイスプレジデント Onshape営業統括 Stuart Heavyside
PTC シニアバイスプレジデント Onshape営業統括 Stuart Heavyside

 米本社シニアバイスプレジデントでOnshape営業統括のStuart Heavyside氏はOnshapeについて、「オールインワンの製品プラットフォーム」が特長と説明。多くの企業は「ワークステーションやサーバーの保守管理を必要とし、IT管理部門は複雑なIT環境に悩まされている。また、グローバルサプライチェーンのコミュニケーションも(コロナ禍による)リモートワークで難易度が増した。そして顧客企業は他社に対する優位性を高めるため、カスタマイズ済み製品の迅速な対応を求めている」(Heavyside氏)。この課題を解決するのがOnshapeだと説明する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    CIO必見、経営層に響く「AIエージェント導入」説明--7つの役職別シナリオで解説

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]