発表から5年がたとうとしているMicrosoftのコードエディター「Visual Studio Code」(VS Code)は、世界中の開発者から受け入れられ、広く普及している。
VS Codeはプロフェッショナル開発者にとどまらず、多様なユーザーを抱えるまでに普及している
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Microsoftによると、VS Codeを使用しているユーザーの数は現時点で1400万人に達しており(Statistaによると世界中には約2400万人の開発者がいるという)、2020年にはプロフェッショナルの開発者という枠を超えてユーザー層が多様化したとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに起因するリモート開発のニーズを受け、そのユーザー数は500万人増加したという。同社は2020年6月に、VS Codeのユーザー数が1100万人だと述べていた。この成功は、「GitHub」や「Electron」「Chromium」「JavaScript」「TypeScript」(同社が生み出したスーパーセット版JavaScript)の上に築かれたと言ってもよいだろう。
Microsoftで開発者部門のコーポレートバイスプレジデントを務めるJulia Liuson氏によると、VS Code普及の背景にはプロフェッショナルの開発者以外の人々がエディターを必要とするようになったことがあるという。
Liuson氏は米ZDNetに対して、「それまではプロフェッショナルの開発者だけだったが、現在ではDevOpsを実践している人々や、IT管理者のほか、数多くの学生らがこのツールを使用しており、ユーザー層が本当に幅広いものとなっている」と述べた。
これはテキストエディターであるため、使う上でコーディング方法を知っておく必要すらない。Liuson氏によると、一部のジャーナリストまでもが記事を執筆するためにVS Codeを使用しているという。
「VS Codeの戦略というのは実際のところ、あらゆるOS/プログラミング言語/ソフトウェアを網羅するという、われわれが掲げている戦略を実現するためのものだ。つまり、どのプログラミング言語を用いて仕事をしている開発者でも、どのOSを用いて仕事をしている開発者でも、どのソフトウェアを開発している開発者でも使えるようにするということだ」(Liuson氏)
VS Codeは「macOS」や「Windows 10」、Linuxの複数のディストリビューションで動作し、Linuxが稼働するArm64マシンをサポートし、「Raspberry Pi」や「Google Chromebook」上でも動作する。さらに、Appleが開発したArmベースの「M1」プロセッサー上でもVS Codeのプレビュー版がインサイダー向けにリリースされている。
VS Codeが普及している一因には、C++やC#、Python、データ科学者向けの多様なPythonライブラリー、Java、JavaScript/TypeScript向けといった幅広い拡張機能の存在がある。