Microsoftは米国時間6月30日、「Python」向けの新しい言語サーバー「Pylance」をリリースした。同社の人気の高い、オープンソースでクロスプラットフォームのコードエディターである「Visual Studio Code」(VS Code)とのやり取りに、「Language Server Protocol」を使用する。
Pylanceは、「Visual Studio Marketplace」で拡張機能として提供されており、「Visual Studio CodeでのPython体験を飛躍的に改善する」と、Python Language Server and Python in Visual Studio担当プログラムマネジャーのSavannah Ostrowski氏は述べている。
VS Code向けPython拡張機能は、Microsoftのマーケットプレイスで高い人気を誇るため、多くのPython開発者に恩恵をもたらすだろう。
Pylanceは、同社のPython向け静的型チェックツール「Pyright」をベースとする。このツールは、開発者が素早く型チェックなどを行えるようにするもので、2019年にリリースされた。
「Pyrightの型チェック機能と言語機能を、VS Code向け拡張機能のPylanceに組み込んだ。Pylanceは、Microsoftが正式にサポートするPython Language Serverとなる」とGitHubのPyrightページで説明されている。
「Pylanceは、VS CodeのPython拡張機能と連携するように設計されている。Pylanceは、Pyrightの機能以外にも、AIが支援する補完機能を利用できるIntelliCodeといった、いくつかの高度な機能との互換性を追加した。VS Codeのユーザーは、Pyrightをアンインストールして、代わりにPylanceをインストールすることを推奨する。Pyrightのメリットはもちろん、それ以上の恩恵を受けられるはずだ」(Microsoft)
PylanceのGitHubリポジトリーには、Pylanceが開発者の生産性とPythonのコード品質を劇的に向上できると記されている。Microsoftはこのリポジトリーを使ってユーザーからのフィードバックを得ている。
Microsoftは、「PylanceはPyrightを活用し、リッチな型情報によってPython IntelliSense体験を一層向上させ、より優れたコードを素早く書くことができるようにする」としている。
Microsoftは、重複などのエラーが出る可能性があるため、PyrightとPylanceの両方を同時にインストールしないように警告している。
しかし、両者には違いがあり、同社のFAQによると、「Pylanceは、Pyrightの機能と追加機能を活用するが、その一部はオープソース化されていない」という。
またPylanceは、Microsoftが正式にサポートするPython向け型チェッカーとなる。MITライセンスの下、オープソースプロジェクトとして開発、メンテナンスしていく考えだ。しかし、VS CodeのPyright拡張機能は、今後も完全に機能することや、長期的に維持されるのるかということは保証されていないという。
Pylanceの主要機能として、型情報、自動インポートサジェスチョン、型チェック診断などがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。