テラデータ、データ分析基盤ソフト強化--MongoDBなど接続データソース拡充

阿久津良和

2021-02-17 07:15

 日本テラデータは2月16日、同社のデータ分析プラットフォームソフトウェア「Teradata Vantage」をMicrosoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)のマーケットプレイスで提供を開始したことを明らかにした。これまではAmazon Web Services(AWS)のマーケットプレイスで提供されていた。

日本テラデータ 代表取締役社長 髙橋倫二氏
日本テラデータ 代表取締役社長 髙橋倫二氏

 日本テラデータ 代表取締役社長 髙橋倫二氏は昨今のデータ分析市場でクラウドシフトが活発だと説明しつつ、「クラウド移行が最終目的ではない。ビジネス変革がゴールだ」と、市場要求に合致した企業向けデータウェアハウス(DWH)の提供が目的だと説明する。クラウド上のVantageを30日間無償利用できる「Vantageトライアル」の提供も同日から開始した。

 また、米Starburst Dataと協業して「Teradata QueryGrid」対応データソースを拡張させたことも発表。MongoDBやAmazon Redshift、Apache Cassandra、Google BigQueryなどに接続できるようになっている。

 データサイエンティスト向けには、「R」や「Python」のネイティブサポートを拡張。呼び出せるVantageの分析関数が増えるとともに、広範なオープンソースの分析アルゴリズムやパッケージが実行できるようになっている。PythonやR、SQL向けの開発環境「JupyterHub」もサポートする。

 加えて、データの経路を追跡する“データリネージ”や使用状況を自動化するクラウドサービス「Teradata DataDNA」も発表した。グローバルで2020年11月から提供されている。

オンプレミスのオブジェクトストレージにも対応

 2020年6月にバージョン2.0へメジャーバージョンアップしたTeradata Vantageだが、2021年1月には早々にバージョン2.2へ更新している。

 最新版では、同2.0で提供を開始したオブジェクトストレージへのアクセスを可能にする「Native Object Store(NOS)」機能を強化。「Amazon Simple Storage Service(S3)」「Microsoft Azure Blob storage」「Azure Data Lake Storage(ADLS) Gen2」「Google Cloud Storage」といったクラウドのオブジェクトストレージに加えて、各種オンプレミスのオブジェクトストレージに対応している。

日本テラデータ テクノロジーセールス事業部 事業部長 小永井崇氏
日本テラデータ テクノロジーセールス事業部 事業部長 小永井崇氏

 日本テラデータ テクノロジーセールス事業部 事業部長 小永井崇氏は「セキュリティポリシーなどの理由からデータをクラウドに上げられないお客さまも、コスト効率の高いオブジェクトストレージをVantageで活用できる」と利点を説明した。具体的には日立コンテンツソリューション、MinIO、Dell EMC ECS、NetApp StorageGRIDなどに対応する。

 NOSの活用事例として同社は「データ統合すべきか判断が難しい新データの探索。価値のあるデータのみ統合する。また、エンドユーザー自身によるリレーショナルデータと半構造化データの結合、利用頻度の低い古いアクセスログなどをコールドデータ化する」(小永井氏)場面でも利用可能だという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]