本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、大塚商会が提供する中堅、中小企業向けソリューション「DX統合パッケージ」を取り上げる。
基幹系と情報系システムを統合してDX推進の基盤作りを支援
大塚商会は先頃、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の基盤作りを支援するソリューション「DX統合パッケージ」の提供を開始すると発表した。
企業ではテレワークを導入して働き方改革につながるIT活用が進むものの、承認、契約フローを含む業務全般の多くが未だに紙ベースで運用されており、数多くの課題が見受けられる。
また、ニューノーマル時代において、特に国内の中堅、中小企業を取り巻く環境は大きく変化しており、ITを活用した生産性向上、ビジネスシーンにおけるDXの重要性はより一層高まっている。
同社では1990年代からデジタル化に着手して生産性向上を図り、各種社内システムの自社活用で得たさまざまなノウハウを顧客にソリューションとして提供してきたという。
そうした中から今回、従来独立していた基幹系システムと情報系システムのデータベースを統合してデータのシームレス化を実現し、同社によるコンサルティングとサポートをセットにしたDX統合パッケージを新しいソリューションとして提供することで、企業のDX推進の基盤作りを支援していく構えだ。
そして、密接なデータ連携や他社のソフトウェアやサービスとのAPI連携、さらに人工知能(AI)やロボティックプロセスオートメーション(RPA)ツールとの連携で、導入企業の業務の最適化を図り、生産性向上に寄与し、新しい事業価値の創出を支援していくとしている。(図1)
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これにより、導入企業では、例えば販売システムで見積書を作成し、ワークフローで申請や承認、あるいはワークフローで承認された領収書を会計データとして保管するといったように、システムの違いを意識せずに、情報の一気通貫で業務の効率化が図れ、生産性向上につながる。また、オンプレミス向けとともにクラウド向けも提供するので、企業のDX推進のフェーズに合わせた構築に対応できるという。
なお、今回のDX統合パッケージは、基幹業務パッケージ「SMILE V シリーズ」と統合型グループウェア「eValue V シリーズ」を統合した形となっている。