クアルトリクスの新サービスにみる「エクスペリエンスマネジメント(XM)」のポテンシャル - (page 2)

松岡功

2021-03-25 07:00

DXに求められる「エクスペリエンスマネジメント(XM)」

 以上が発表の概要だが、今回このサービスを取り上げたのは、EmployeeXMをはじめとした同社の「エクスペリエンスマネジメント(XM)」ソリューションに注目しているからだ。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)時代のキーワードの1つである「エクスペリエンス(X)」と「マネジメント(M)」を組み合わせて略した「XM」は、クアルトリクスの親会社である米Qualtricsが提唱する新しいソリューション分野だ。

 同社によると、XMの目的は「顧客、従業員、ユーザー、パートナー、サプライヤー、投資家など、あらゆる関係者に対して、企業や組織が提供するエクスペリエンスを向上させること」にある。

 そのソリューションとしては、企業においてビジネス上で重要な「顧客」「製品」「従業員」「ブランド」といった4つのエクスペリエンスを管理し、改善するソフトウェアをSaaS型サービスで提供。顧客数は2020年末の段階で、グローバルで1万3000社を超えるという。なお、同社は2019年からSAPのグループ企業となっている。

 クアルトリクスが2月に発表した2021年の事業戦略では、「ウィズコロナ、アフターコロナによる新たな社会へのサポート」「国内業務に沿ったテンプレート群の提供」「国内人員体制の拡充」を挙げた。さらに、これまで「Qualtrics XM Platform」と呼んでいたソリューションを、今後はXMの基盤としての位置付けを一層明確にするために「XM OS」として強力に打ち出していくことを明言した。図1に示したのが、同社のソリューションの全体である。

図1:ソリューションの全体図(出典:クアルトリクス) 図1:ソリューションの全体図(出典:クアルトリクス)
※クリックすると拡大画像が見られます

 市場調査やアンケート収集、分析を担うツールは数多くあるが、DX時代を踏まえてエクスペリエンスに着目し、XMというコンセプトを打ち出して改善アクションまで含めたソリューションを体系化しているのが、XMの魅力だろう。

 今回は、図1の中のEmployeeXMにストレスチェックの機能が加わった形だ。全体として、今後どのように進化していくか。そして、どのように利用されていくのか。まだまだ大きいと見られるポテンシャルに注目していきたい。

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