バックアップに“可用性と保護”のギャップ--信頼性改善でクラウド移行進む - (page 2)

阿久津良和

2021-04-08 07:15

 この他にも5社中4社(79%)が、アプリケーションを復旧できるスピードと復元に要する時間に「可用性のギャップ」があると回答し、世界平均(80%)をわずかに下回る。

 約4分の3(74%)の国内企業はデータのバックアップ頻度と、障害発生後に消失しても問題ないデータ量との間に「保護のギャップ」を抱えていると回答。こちらも世界平均(76%)をもわずかに下回った。バックアップ障害の主な原因はストレージ(59%)、サーバー(57%)が上位に並ぶ。

 国内企業に今後1年内でDXに影響を与える可能性が高い課題を聞くと、「変化する顧客需要への対応(38%)」「組織のリーダーがDX推進に自信がない/支持しない(37%)」「経済不安(33%)」が上位に並んだ。新常態(ニューノーマル)での経済活動は、解決策を求めて暗中模索している姿が伺える。

 そのため国内企業は世界平均(54%)を上回る6割以上(62%)がDX施策を加速させた一方で、約4分の1(24%)の企業はDX施策の遅延もしくは停止したと回答している。その理由は冒頭で述べた通りだが、その差異についてRussell氏は「企業間にデジタルデバイド(情報格差)が拡大した」ためだと分析した。

 オンプレミスのバックアップツールからBaaSへの移行が進んでいるが、同社の調査によればBaaSなどへの変更理由として、「バックアップの信頼性(成功率)を改善するため(38%、最も重要と回答した割合は13%)」「RPO(目標復旧時点)やRTO(目標復旧時間)のSLA達成率を改善するため(35%、同9%)」「ハードウェアやソフトウェアのコスト削減(33%、同6%)」「運用管理負担の軽減(33%、同6%)」といった回答が並んだ(n=700)。

BaaSへの移行傾向 BaaSへの移行傾向
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