TIOBEが発表しているプログラミング言語ランキング「Programming Community index」の2021年4月版によれば、「Objective-C」がとうとうランキングのトップ20から脱落した。Appleは、Objective-Cの後継言語として、「iOS」や「macOS」のアプリ開発用言語である「Swift」を公開している。
Swiftがリリースされてからすでに約7年が過ぎたが、Objective-Cはこれまで、TIOBEの人気プログラミング言語ランキングの20位圏内にとどまり続けていた。2014年にSwiftが登場した時点のObjective-Cの順位は3位だった。
TIOBEは法人顧客に対してソフトウェアの品質分析サービスを提供している調査会社で、同社のランキングは、よく使われているいくつか検索エンジンにおける各言語の検索件数のシェアに基づいて作成されている。
この1年間のObjective-Cは、徐々にではあるが着実に順位を落としていた。TIOBEは、Objective-Cの人気が長らく下がらなかった理由の1つは、Swiftの導入が進まなかったためだと分析していた。これは、モバイル開発者の目が複数のプラットフォームのアプリを開発できる言語に向いているためだという。
実際、Swiftの順位は、2020年4月には11位だったが、今回のランキングでは15位にランクダウンしている。
もう1つの注目すべき変化は、1年前には34位だったFortranの順位が20位まで再浮上したことだ。FortranはIBMが1950年代に生み出した言語で、今でも科学技術計算ではよく使われている。TIOBEのランキングにおけるFortranの最高順位は、2002年に記録した10位だった。
「この大昔からある言語は、10年以上の時を経て久々にトップ20に返り咲いた。Fortranは史上初の商用プログラミング言語であり、(科学的な)数値計算に対するニーズが大きくなっているために人気を集めている。お帰りなさい、Fortran」とTIOBEは述べている。
Java仮想マシン(JVM)上で動作する言語である「Groovy」も、2020年4月の48位から17位にランクアップし、再びトップ20に返り咲いた。ただしTIOBEによれば、2021年1月時点でのGroovyの順位は10位だった。
4月のプログラミング言語ランキングのトップ10は、C、Java、Python、C++、C#、Visual Basic、JavaScript、アセンブリ言語、PHP、SQLだった。
また11位から20位までは、Classic Visual Basic、Delphi/Object Pascal、Ruby、Go、Swift、R、Groovy、Perl、MATLAB、Fortranとなっている。
ソフトウェア開発を専門とする調査会社RedMonkが発表した2021年第1四半期プログラミング言語ランキングでは、首位はJavaScriptで、2位以降にはPython、Java、PHP、C#、C++、CSS、TypeScript、Ruby、Cが続いている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。