日立ソリューションズ・クリエイトは4月14日、仮想オフィスとして「360度パノラマビュー」と「ワークボード」を開発し、社内で実証実験を行うと発表した。両サービスには、社内標準にしているコミュニケーションツール「Microsoft Teams」が活用される。実施期間は、5月10日~7月2日。働き方改革を推進する中、従業員への調査などで判明した在宅勤務の課題を解決することが目的だという。
実証実験では、従業員の1割ほどに相当する約400人(営業/システムエンジニア/スタッフ部門)を対象に、この施策やツールの有用性を検証する。その結果を踏まえて全社に導入し、新しい働き方を実現することで、従業員の幸福度向上を目指す。
日立ソリューションズ・クリエイトが2020年11月に実施した「新しい働き方に向けた従業員サーベイ」での回答を分析したところ、「(在宅勤務で無くなった)通勤/移動時間が有効利用できる」「業務に集中できる」「オンラインですぐメンバーを集められる」というプラスの面がある一方、「コミュニケーションが取りづらく感じる」「公私のメリハリがつきにくい」というマイナス面もあると分かった。そこで同社は、こうしたプラス面の効果を維持しつつ、マイナス面を改善するため、仮想オフィスの開発に至ったという。
360度パノラマビューでは、自社オフィスで他の従業員と働いている感覚を再現する。ユーザーはPC画面上でオフィス内を移動し、相手の顔のアイコンをクリックするとTeamsが起動して、気軽にチャットや通話ができる。ワークボードでは、各従業員の状況や利用頻度の高いシステムを集約することで、ユーザーが必要な情報を一画面で確認したり、システムを素早く起動したりできる。
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同実証では、「オンラインの利点を追求し、公私のメリハリを実現」と「コミュニケーションの向上」を検証する。360度パノラマビューでは、自宅にいながらオフィスに出社したり、そこで働いたりしている感覚を味わえるため、仕事とプライベートの切り替えを後押しできると想定している。また、他の従業員と同じ空間で働いている感覚になり、対面での会話に近いコミュニケーションが可能になるとしている。
ワークボードでは、システム操作の手間を軽減するほか、利用の促進を図る。またTeamsや「Outlook」により、「会話中」「会議中」「離席中」といった従業員の状態が一目で分かるようにすることで、ユーザーが気兼ねなく話しかけられることを目指している。