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業務時間外にメール対応しない「つながらない権利」--コロナ禍で新たな動きに注目

Daphne Leprince-Ringuet (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2021-05-01 08:30

 最近では、労働者の個人的な生活空間にますます仕事用のノートパソコンやスマートフォンが入り込むようになっているが、少なくともアイルランドの労働者については、就業時間外の電子メールや通話から逃れられる「つながらない権利」が公式に認められ、その境界線がある程度明確になった。

リモートワークをする人
新たな規則は、就業時間の終わりとともに完全に職務から離れる権利を労働者に与えるものだ。
提供:Getty Images/iStockphoto

 アイルランドの企業・貿易・雇用大臣であるLeo Varadkar氏は、未来の職場の指針となる新たな実務規範(Code of Practice)を発表している。この規範では、従業員が雇用主とあらかじめ合意した就業時間が終了し次第、仕事から完全に解放される権利を認めている。

 この新たな規範は、労働者が仕事を終えたら、それ以降は職務から解放され、あらゆる種類の仕事関係の電子的なコミュニケーションを始めたり、応答したりすることを避けることができるべきだと定めている。

 この規範は、リモートワークの支援と促進を目的として、Varadkar氏の求めを受けてこの数カ月間でまとめられたものだが、この指針はあらゆる種類の仕事に適用される。

 Varadkar氏は、「この実務規範はただちに発効し、リモートで働いているかどうかを問わず、あらゆる種類の雇用に適用される」と述べている。「この規範は、仕事の種類に関わらず、労働者がワークライフバランスを改善し、業務時間外には仕事のことを忘れられるようにするものだ」

 同規範では、「つながらない権利」として3つの条項を定めている。その3つの内容は、通常の就業時間外に日常的に仕事をしなくても良い権利、就業時間外に業務に関する物事に立ち会うことを拒否しても罰せられない権利、他人のつながらない権利を尊重する義務(例えば、あらかじめ合意された就業時間外には通常のように同僚に電子メールを送ったり電話をかけたりしない)とされている。

 アイルランドの労働者はすでに、多くの労働関連法に守られている。例えば、非常に限られた条件にあてはまる場合を除けば、アイルランドの労働者を1週間に平均48時間以上働かせることはできない。

 ただし、新しい実務規範で定められたつながらない権利は、必ずしも法的な義務を構成するものではないようだ。この規範の推奨事項は、法的審理の手続きで証拠としては認められるものの、規範に従わなかったからといって犯罪になるわけではない。むしろこの規範は、雇用主と従業員が協力して適切な労働条件を整えるための指針として見るべきものだ。

 だからと言って、すべての労働者が9時5時の硬直的なスケジュールで働けばいいというわけではない。この指針は、雇用主に労働者に対して合理的に期待される通常の就業時間を通知するとともに、就業時間以外にスタッフに連絡を取る必要がある緊急事態が起きた場合(例えば、病気の同僚に代わって急きょ仕事をしなければならない場合)に対応できる余地を残した「つながらない権利に関するポリシー」を定めることを勧めている。

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