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ゼロトラストやSASE、5G、XDRに注力--フォーティネットが2021年度の事業戦略

阿久津良和

2021-04-22 06:00

 フォーティネットジャパンは4月21日、2021年度の事業戦略を発表した。「FortiOS 7.0」で実装したSASE(Secure Access Service Edge:ネットワーク機能とセキュリティサービスを包括的にクラウドから提供するセキュリティモデル)機能を日本市場で展開することを明らかにした。

 同日記者会見した社長執行役員の久保田則夫氏は、その理由として「現在は社内に閉じずモバイルなど外部からSaaSやデータセンターにアクセスし、(社内外の)境界線が拡張している。全てを制御・管理できる『セキュリティドリブンネットワーキング』が欠かせない」と説明した。SASEを実現する「FortiSASE SIA(Secure Internet Access)」の提供を2021年度第2四半期(4~6月)に、またブランチ向けクラウドベースセキュリティデバイスの「FortiSASE Thin Edge」の展開も2021年度後半(6~12月)に予定している。

フォーティネットジャパン 社長執行役員の久保田則夫氏
フォーティネットジャパン 社長執行役員の久保田則夫氏

 昨今のネットワークセキュリティ状況について副社長 兼 メジャーアカウント統括本部長の田井祥雅氏は、「外部からのアタックサーフェース(サイバー攻撃を受けやすい脆弱なポイントや領域)が爆発的に増加し、新しいセキュリティ手法が必要だ。われわれはネットワークとセキュリティを統合管理する『セキュリティドリブンネットワーキング』、デバイスや資源へのアクセスを可視化する『ゼロトラストアクセス』、アプリケーションの保護とクラウドへの安全な経路を担保する『アダプティブクラウドセキュリティ』の3つに加えて、管理負担をAI(人工知能)で軽減する『フォーティネットセキュリティファブリック』を提供する」と述べた。

 セキュリティドリブンネットワーキングの文脈では、SASEやセキュアSD-WAN、OT(制御技術)のサイバーリスクを軽減する「FortiGate Rugged」を提供し、ゼロトラストアクセスの文脈では、EPP(エンドポイント保護)やNAC(ネットワークアクセス制御)、MFA(多要素認証)を提供。アダプティブクラウドセキュリティの文脈では、クラウドベースのメールセキュリティ「FortiMail Cloud」の国内展開を2021年度のビジネス戦略に掲げた。

フォーティネットジャパン 副社長 兼 メジャーアカウント統括本部長の田井祥雅氏
フォーティネットジャパン 副社長 兼 メジャーアカウント統括本部長の田井祥雅氏

 整理すると、同社の2021年度の注力領域は「ゼロトラスト」「SASE」「5G(第5世代移動体通信)」「XDR(拡張型の検出と対応)」の4項目に集約できる。まずゼロトラストとSASEの2つの領域に対しては、「アプリケーションごとのアクセスやユーザーの役割に応じたルールセットが必要」(副社長 兼 マーケティング本部長の西澤伸樹氏)と強調しながら、次世代型ファイアウォールセキュリティやSD-WAN、ルーティング機能を備える「FortiGate セキュアSD-WAN」とFortiSASEの組み合わせで、同社が提唱するセキュリティドリブンネットワーキングが実現可能だと主張した。

 また5G領域は、消費者や企業など市場によって異なるセキュリティソリューションが提供可能だと説明する。XDR領域については、インシデントアラートの4分の3を削減し、30分以上の調査分量を30秒未満で対応可能とする「FortiXDR」の市場導入を2021年中に予定している。

フォーティネットジャパン 副社長 兼 マーケティング本部長の西澤伸樹氏(左)と技術統括本部長の宮西一範氏
フォーティネットジャパン 副社長 兼 マーケティング本部長の西澤伸樹氏(左)と技術統括本部長の宮西一範氏

 新たに提供するFortiOS 7.0は、前バージョンと比較すると300以上の新機能を実装し、日本のIPv6などへの対応も図っているが、技術統括本部長の宮西一範氏は、「ゼロトラストとSASEが大きな柱」だと説明した。テレメトリーデータから「Enterprise Management Server(EMS)」がタグを付与し、ポスチャー(エンドポイントデバイスの実行状況や健全性を示すデータ)の確認を経てアクセスを許可することで、ゼロトラストを実現するという。またFortiOS 7.0では、EMSやデバイス用証明書を発行し、エンドポイントの健全性を確認した上で目的のトラフィックを開始する仕組みも加わっている。

今後順次展開する「FortiSASE」シリーズ
今後順次展開する「FortiSASE」シリーズ

 2020年度の事業概要では、成長率はSD-WAN経由で96%増、クラウド経由が64%増、ZTゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)経由が173%増と堅調だった。その理由に、文部科学省のGIGAスクール構想におけるFortiGateやLANスイッチの「FortiSwitch」、無線LANアクセスポイントの「FortiAP」の採用のほか、NTT西日本の「フレッツ・SDx」でのセキュアSD-WANとブランチ向けサービスを統合した「SD-Branch」の採用が大きいという。その他にも発表会では、トヨタシステムズや北海道大学の導入事例を披露した。

FortiOS 7.0のセキュリティファブリック機能
FortiOS 7.0のセキュリティファブリック機能

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