電通国際情報サービス(ISID)は5月6日、横浜銀行および東日本銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行、エヌ・ティ・ティ・データ・フォースと、次世代のSFA・CRM(営業支援・顧客関係管理)/融資審査システムを共同利用型で開発すると発表した。2024年の稼働開始を目指す。
同社によれば、金融機関の渉外活動は、多くの場合で営業支援や顧客管理、融資審査など業務ごとに異なるシステムで各種情報を管理しているが、地方銀行の経営を取り巻く環境としては人口減少による資金需要の減少、低金利環境の継続、他業態からの参入による競争激化などを背景に厳しさを増している。5行では渉外業務の提案力の向上・営業力の底上げ、合理化や効率化に向けた渉外業務改革の実現に新たな仕組みを考えており、今回のシステム構築は、顧客情報の共有と業務の一気通貫を重要な要件に挙げているとする。
このため新システムは、50以上の金融機関で採用実績があるISIDの融資業務統合ソリューション「BANK・R」をベースに開発し、Amazon Web Services(AWS)上に構築され、営業支援や顧客管理、融資審査に関わる全ての業務プロセスの機能をクラウドから提供する。BANK・Rは、1つのシステム基盤上で全ての情報を一元管理でき、周辺システムや追加機能の開発の実績があるほか、各行の方向性や課題の洗い出し、業務プロセスの改善案などに関するISIDのコンサルティング力も採用の決め手になったという。
新システムの方向性は、一元管理される顧客情報を起点に業務を横断的に捉える全体最適となる。顧客情報の重複や連携の不備を無くし、1回の情報入力でさまざまなデータや帳票への自動反映が可能なシングルインプット/マルチアウトプットとすることで、顧客情報の更新や検索にかかるオペレーション負荷を低減し、顧客ニーズへきめ細やかな対応や最適なサービス提案をできるようにするという。
新システムの方向性(上)と構成イメージ(下)