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Splunk、「Observability Cloud」発表--オブザーバビリティーとは何か?

末岡洋子

2021-05-17 12:07

 Splunkは米国時間5月12日、新サービス「Splunk Observability Cloud」を発表した。オブザーバビリティー(可観測性)のために必要なツールを備えたスイートとなる。そもそもオブザーバビリティーとは何か。Splunkの担当者に話を聞いた。

 Splunk Observability Cloudは、「Splunk Real User Monitoring(RUM)」「Splunk Synthetic Monitoring」「Splunk APM」「Splunk Infrastructure Monitoring」「Splunk Log Observer」「Splunk On-Call」の6製品で構成されるスイートだ。

「Splunk Observability Cloud」
「Splunk Observability Cloud」
Splunk Synthetic MonitoringのUI
Splunk Synthetic MonitoringのUI

 新しいスイートだが、Splunk APM(アプリケーション性能監視)などは既に提供済みだ。新製品となるのは、ウェブアプリケーションのフロントエンドをモニタリングするSplunk RUMと、買収したRigorのリブランドでユーザーのトランザクションをエミュレートするSplunk Synthetic Monitoring、DevOps向けにログのオブザーブを最適化したSplunk Log Observerの3つになる。

 そもそもオブザーバビリティーとは何か。Splunk Services Japanでセールスエンジニアリング本部長を務める三船亜由美氏は、クラウドへの移行、コンテナーやサーバーレスなどの新しいトレンドを挙げる。

Splunk Services Japan セールスエンジニアリング本部長の三船亜由美氏
Splunk Services Japan セールスエンジニアリング本部長の三船亜由美氏

 三船氏は、2022年までにコンテナー化されたアプリが75%拡大する、というGartnerの予想を引用し、「テクノロジーを支える組織は、これまでのやり方ではこのスピードについていけない」と述べる。これまでにも、開発者と運用担当が密に連携するDevOpsの重要性が指摘されてきた。だが、「動的に変わるインフラ環境、アプリケーション環境では、全体の状況把握が難しくなっているという問題が出てきている」と三船氏はいう。そこで、オブザーバビリティーの出番というわけだ。「動的に変化する運用するに当たって要の役割を果たすのがオブザーバビリティー」(三船氏)

 なお、Splunkの場合、オブザーバビリティーはクラウドに特化したものではなく、クラウドからオンプレミスまでサービスを実行するために必要な環境、全てのデータパスに対する可観測性を実現するという。

 これまでシステム状況の監視といえば、モニタリングがある。モニタリングではCPUやメモリーの使用量、ディスクの使用状況などの監視に使われるが、あるしきい値を超えると障害が起きる可能性が高いという経験値に基づいたポイントを監視するのに対し、オブザーバビリティーでは「既知の未知、未知の未知を観察できる」と三船氏は説明する。つまり、障害が発生すると予期していないポイントでも何かが起きるかもしれない、あるいは障害が発生し得ることすら分からなかったポイントがあるかもしれないという考え方なのだという。

 そのため同社は、オブザーバビリティーが監視とは補完の関係にあると考えているという。オブザーバビリティーを実現するためには3つのデータが必要という。

オブザーバビリティー(可観測性)の意義
オブザーバビリティー(可観測性)の意義

 1つ目は「メトリクス」で、いま何が起きているのかを知るための異常検知の部分だ。従来型のモニタリングに近いもので、監視ポイントで何が起こっているのかを秒単位で検出する。2つ目は「トレース」。問題への対処では、どこで問題が起きているのかを把握するのに必要な情報だ。特に、アプリが細分化され依存関係が複雑になっている中で、どこで問題が起きているのかの把握は重要だという。3つ目は、最も詳細な情報となる「ログ」だ。これを利用して根本原因を探り、本質的な原因の除去につなげる。

 この3種類のデータを効果的に相関付けて分析することにより、オブザーバビリティーで実現するという。これによって、リリースの品質と速度、開発者の生産性を改善できる。これは、顧客体験の改善やビジネスの適応性につながる。

 SplunkのObservability Cloudの特徴は、全てのデータ対象とし、リアルタイム性と拡張性を備えること。そして分析や機械学習を含むことだ。

 三船氏が強調するのが、データ収集で用いる「Open Telemetry」になる。Open Telemetryは、クラウドネイティブソフトウェア向けのオブサーバビリティーフレームワークとしてオープンソースで仕様の開発が進んでいる。Splunkはコントリビューターとして深く関わっているという。従来のAPMでは、ベンダー固有のAPMエージェントを入れるが、Open Telemetryを使うことでベンダーロックインを解除できる上、軽量や管理などの優位性もあるという。三船氏によると、Splunkだけでなく他社もOpen Telemetryのサポートを進めているそうだ。

Splunk Observability Cloudは米国で提供を開始、日本でも2021年後半に提供する予定だ。「この1年でオブサーバビリティの認知が急速に高まっている」という三船氏、Splunkの優位性として「汎用的なデータ処理プラットフォームからスタートして色々な領域をカバーしてきた。クラウドへの移行が進む中、サービス系企業など新規顧客もターゲットとしていきたい」と述べた。

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