前世代となる第14世代では、エアフローを中心に設計されたシャーシの機械構造「マルチベクタークーリング」を搭載。今回の第15世代では、「廃熱とエアーフローを熟考した『マルチベクタークーリング 2.0』を採用し、標準の冷却ファンに加えて(最大2万RPMの)『HPR Silver Fan』や(最大2.4万RPMの)『HPR Gold Fan』を投入。ヒートシンクも高性能ヒートパイプを内蔵し、システムボードレイアウトを見直して、2基の電源を両端に分離」(岡野氏)。前面から取り込んだデータセンターの冷気で各部を冷却しながら、背面に排出するエアーフローを実現したという。
![PowerEdge R750xaのシステムボード](/storage/2021/05/19/09f1033f5aba6b078ba3b42fc6507873/210519_dell_2.jpg)
PowerEdge R750のシステムボード
PowerEdgeには、リモートでハードウェアを管理できるツール「Integrated Dell Remote Access Controller(iDRAC)」が組み込まれており、現行版の「iDRAC9」は運用管理ツール「OpenManage Enterprise」と統合されている。OpenManage Enterpriseのプラグインとして活用できる「Power Manager」は温度に加えて、消費電力の制御機能も備える。
電力や温度を用いたしきい値に基づくCPUやメモリー単位の電力キャッピングで自律的なサーバー運用管理が実現できると説明。サーバー単体のみならずグループ単位やフロアー単位での管理、可視化にも対応する。
一連の機能は「iDRAC Datacenter」ライセンス契約が必要となるが、デル・テクノロジーズが提唱する自律型コンピュートインフラを実現するための一助になることは間違いない。また、独自機能として刷新したハードウェアRAID「PERC(PowerEdge RAID Controller) H755N」、ハードウェアRAIDをブートデバイスとして指定できる「BOSS-S2」も備える。
![PowerEdge背面に用意したBOSS-S2のスロット](/storage/2021/05/19/e95f38c171a754a6fa6c470971c1ac3c/210519_dell_3.jpg)
PowerEdge背面に用意したBOSS-S2のスロット
PowerEdgeの販売戦略としてデル・テクノロジーズは、PowerEdge R750xaを含むPowerEdgeのGPUサーバーに加えて、GPUを仮想化する「VMware vSphere Bitfusion」、GPUインスタンスを分割して実行できる機能「NVIDIA Multi Instance GPU(MIG)」など最新技術を検証できる「AI Experience Zone」を東京都港区と米テキサス州オースティンに開設した。