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Salesforce Live: Japan

高速変化のITをどう楽しむか--ITとOTの融合を進める横河電機

末岡洋子

2021-06-07 06:00

 1915年創業の老舗製造の横河電機にとって、デジタルトランスフォーメーション(DX)は既存事業のOT(制御系システム技術)とIT(情報系システム技術)の融合を意味する。セールスフォース・ドットコムが6月にオンラインで開催した「Salesforce Live:Japan」では、横河電機のDXを推進する舩生幸宏氏(執行役員 デジタル戦略本部長[CIO]兼デジタルソリューション本部 DXプラットフォームセンター長)が、これまでの取り組みを語った。

横河電機 執行役員 デジタル戦略本部長兼デジタルソリューション本部 DXプラットフォームセンター長の舩生幸宏氏
横河電機 執行役員 デジタル戦略本部長兼デジタルソリューション本部 DXプラットフォームセンター長の舩生幸宏氏

 横河電機は計測器事業でスタートし、その後、計測器を制御するための制御事業を拡大させてきた。制御事業はOTに分類されるもので、現在の売上高約4044億円のうち約92%がこの制御事業だ。売り上げ比率の7割を海外が占める。

 グローバル展開で競争力を強化するためにも、デジタル化は必須だ。「制御ビジネスを生かしながら、いかにIT、デジタルにビジネスを拡大するかが課題」と舩生氏は話す。ITをバックグラウンドに持つ舩生氏は、3年前にデジタル戦略を進めるというミッションの下に入社し、以来デジタル戦略本部で社内のデジタル化と社外のデジタル化の両輪を回している。横河グループ自身が“デジタルエンタープライズ”になり、顧客に提案して顧客のデジタルエンタープライズ化への変革を手伝う――目指すのは、「ワールドクラスのソリューションサービスカンパニー」だという。

 講演のメインテーマは社内のデジタル化。2018~2020年度のIT中期方針として、(1)グローバル最適化、(2)デジタル化・サービス化、(3)セキュリティ強化、(4)ITトランスフォーメーション――などに取り組んでいる。

 (1)では、デジタル化の土台となるデータ統合とデータ統合のためのシステム統合を行う。(2)では、デジタル化によってビジネスモデルのサービス化を進める。(3)では、オンラインによって高まるセキュリティ脅威に対応するという流れだ。最後の(4)は、デジタル化を推進するに当たって、情報システム部門の能力を高めていく。

横河電機が描くDXのフロー 横河電機が描くDXのフロー
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 舩生氏によれば、このうち(1)と(2)がセールスフォース製品を使うところになる。

 (1)については、グローバルで数字が3桁の規模で存在するという多数のアプリケーションをプラットフォーム化し、集約することでデータ統合を進めている。Tableauも使い、データ活用を促進しているという。「グローバルでユーザーに配布し、どんどんダッシュボードを作ってもらい、統合されたデータの活用を進めている」(舩生氏)

 Tableauのユーザー数は2000~3000人で、Tableauを選んだ背景には、「システムやツールを入れただけではデータ活用が進まない。カルチャーを変革してデータドリブンカルチャーに変えていく必要がある。そのノウハウをTableauに提供してもらっている」(舩生氏)があるとした。

 (2)は、顧客向けの「CX(Customer Experience)」、従業員向けの「EX(Employee Experience)」、パートナー向けの「PX(Partner Experience)」と、3つのカテゴリーでシステム統合を進めているが、セールスフォースをフロントのCXで活用しているそうだ。具体的には、カスタマーポータルの「Customer Portal」、CRM(顧客関係管理)の「Integrated CRM」、見積もりシステム「CPQ」、サービスシステム「ServAir」、コンテンツ管理の「YokoCMS」と5種類あり、これらの統合になる。

 このうちセールスフォースは、Customer PortalとIntegrated CRMについて、「セールスフォースよりベストプラクティスをいただいている」と舩生氏。中でも、製造業からサービスビジネスへの転換で重要となるサービスビジネスモデルについてのノウハウは重宝しているそうだ。

 CRMには、システムのCRMとサービスのCRMの2種類あり、グローバル展開はまだこれから。Salesforceに入れ替え、「マーケティング、セールス、サービスのプロセスをグローバルで標準化し、プラットフォームをリプレースする」と舩生氏は説明し、最終的に約3000人が使うシステムを見込んでいるという。

CRMはグローバルでSalesforceにより標準化する CRMはグローバルでSalesforceにより標準化する
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 最後の(4)ITトランスフォーメーションでは、DX人材の確保について、同社の対策を明かした。「旧来の情報システム部門にDX人材は少ない。ここを強化しないとDXは進まない」とする一方、「日本でDX人材の確保は難しい」とも続ける。そこでインド、シンガポール、中国にDX人材を確保し、日本はインド工科大学(IIT)の学生を新入社員として起用しているという。

 これらの取り組みの先に同社が目指すのは「SX(サステナビリティートランスフォーメーション)」だ。「社内のデジタルエンタープライズ化を進め、顧客に対してデジタルエンタープライズ化を進めることで、生産性向上、エネルギー効率の向上が図れる。これらを通じて地球環境の負荷の軽減に貢献したい」と舩生氏は述べた。

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