シスコ、大林組とスマートビルの「統合ネットワーク構築ガイドライン」を作成

NO BUDGET

2021-08-25 06:00

 シスコシステムズは大林組と共同で、スマートビル(高度に情報管理された建物)向けの「統合ネットワーク構築ガイドライン」を作成した。

 同ガイドラインは、建築工事と一体的に統合ネットワークを構築することを前提に、シスコの持つネットワークやサイバーセキュリティに関するノウハウと、大林組の持つ建設プロジェクトマネージメントのノウハウを統合したもの。

 近年、さまざまなデバイスのIPネットワーク化やPoE(Power over Ethernet)電源供給量の増加により、スマートビルにおいてもWi-Fiアクセスポイントや監視カメラ、IoTセンサーなどがIPネットワークに接続されるだけでなく、空調や照明といったビル設備もイーサネット上でBACnet(Building Automation and Control Networking Protocol:インテリジェントビル用ネットワークのための通信プロトコル規格。空調、照明、入退室管理、火災報知設備などの連携に使用される)プロトコルの通信が可能となっている。

 IPネットワークをはじめとする通信インフラは、電気・ガス・水道に次ぐ「第4のユーティリティー」としてビル設備になくてはならないものになっている。しかし一方で、ベンダーが個別にシステムを導入しているケースが一般的であり、異なるサービス間の連携や竣工後のサービスの柔軟な拡張に課題を残している。さらにクラウドの活用により利便性が高まった反面、スマートビルは巧妙化するサイバー攻撃への対策が求められている。

 このような背景からスマートビル向けの各種サービスを、統合したネットワーク上で実現し、「利便性」「拡張性」を向上させると同時に、サイバーセキュリティへの対策によって「信頼性」も向上させ、不動産価値の向上を目指す機運が高まってきているという。

 今回作成したガイドラインは、統合ネットワークの設計ポイントと構築手順から構成されており、2019年12月に経済産業省が発行した「ビルシステムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリテ対策ガイドライン第1版」に準拠し、2018年7月に内閣サイバーセキュリティセンターが発行した「政府機関等の対策基準策定のための統一基準群」を参考に作成している。

 さらに基本計画、基本設計、実施設計、施工、運用といった、一般的な建築プロジェクトの進め方に合わせて、設計のポイント、施工上の注意点なども合わせて記載し、エンジニアのスキルや経験に左右されず質の高い統合ネットワークが構築できるよう配慮している。

 シスコと大林組は、今回のガイドラインを共同で作成することにより、不動産価値向上に寄与し、信頼性の高い「統合ネットワーク」の実現を目指す。

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