デジタルトランスフォーメーションが急速に進んでいることで、IT担当役員が大きな決断を素早く下すことがこれまで以上に重要になっている。
しかし実は、それは決して簡単なことでない。最高情報責任者(CIO)やCIOが率いるチームは、さまざまな意見やデータに基づいて、ビジネスに関わるさまざまな疑問にとらわれすぎることなく、組織全体にとって適切な結果を生み出す強い決断を素早く下す必要がある。
では、効果的に意思決定を行うためには何が重要なのだろうか。この記事では、4人のビジネスリーダーから、優れた決断を下すための秘訣を聞いた。
1.部下の失敗を恐れない
旅行保険会社Cover-MoreのグループCIOであるNicki Doble氏は、経営陣にできる最善のことは、決断をして、すぐに実行に移すことだと考えている。「完璧を目指すよりもまずやることだ」と同氏は言う。
Doble氏は、明確な戦略とビジョンがあれば、同氏が言う「後悔しない決断」ができるはずだと話す。これは、経営幹部が素早く決断を下し、決断したら目の前の仕事に集中するということだ。決断の中には難しいものもあるだろうが、優れたITリーダーは行動を恐れることはないという。
「成果を出していこうとするのであれば、決断できる環境が必要だ」とDoble氏は言う。同氏によれば、もし物事を考えすぎる人が多いのであれば、それは失敗を許さない企業文化があるからだという。
その結果、多くの人が良い結果は出ないだろうと思いながらプロジェクトに参加しているにも関わらず、誰も声を上げず、当然の帰結として良い製品ができないといった事態が起こってしまう。Doble氏は別のやり方をすることを勧めている。
「部下に仕事をさせたいのであれば、失敗することや、失敗を取り返すことを許さなければならない場合がある。多くの場合はそれでも何とかなるし、軌道修正もすぐにできる」と同氏は述べている。