SASジャパン新社長が語る日本事業の成長戦略

藤本和彦 (編集部)

2021-09-30 13:52

 SAS Institute Japan(SAS Japan)は9月30日、同月1日付で代表取締役社長に就任したMichael King氏の記者会見をオンラインで開催、日本における事業成長戦略について明らかにした。

SAS Institute Japan 代表取締役社長のMichael King氏(左)と常務執行役員 営業統括本部 本部長の宇野林之氏
SAS Institute Japan 代表取締役社長のMichael King氏(左)と常務執行役員 営業統括本部 本部長の宇野林之氏

 King氏は、ソフトウェア、IT、EC(電子商取引)業界などで25年超にわたってビジネスマネジメントに携わってきた経歴を持つ。シトリックス・システム・ジャパン、オートデスク、楽天などで要職を務めてきた。

 米SAS Instituteの事業状況については、データサイエンスと機械学習の分野における8年連続のリーダーポジションや、2020年度実績で3000億円超の売り上げ、金融・官公庁・保険など幅広い業種での導入事例をアピールした。また、2024年までに新規株式公開(IPO)を実行するための準備に入る意向を発表しており、「IPOによって価値提供のスピードを加速できると信じている」(King氏)とした。

 次に、SAS Japanのビジネス概況では、データサイエンスを活用した顧客のデジタル変革(DX)がさらに加速しているとし、事業の全カテゴリーで堅調に成長していると語る。クラウドサービス「SAS Cloud」の成長拡大は9倍超、アナリティクス基盤「SAS Viya」は約1.6倍の急成長を遂げていると強調した。

 King氏は、日本市場を「最も重要な市場の一つ」といい、ビジネス戦略の重要な3本柱として「業界をリードする」「技術イノベーション」「顧客エンゲージメント」を掲げた。

SAS Japanが掲げるビジネス戦略の3本柱
SAS Japanが掲げるビジネス戦略の3本柱

 「業界をリードする」では、ビジネスのスピードに合わせた意思決定を支援し、SAS CloudやSAS Viyaといった最新テクノロジーの提供に注力していく。「技術イノベーション」では、全てのSAS製品とソリューション製品をクラウドネイティブにするため開発を進めていく。また、マネージドサービスを含む、As-a-serviceのオファリングを拡大し、顧客ニーズの強い高まりに対応する。SAS Cloudの国内でのさらなる成長も見込む。

 「顧客エンゲージメント」については「最も大事に考えている」(常務執行役員 営業統括本部 本部長 宇野林之氏)とし、これまでも顧客と伴走しながらソリューションを開発してきたという。導入段階では実証されたテンプレートの利用により投資コストを最適化し、適応段階ではDX組織支援・人材育成サービスを提供してきた。利用促進のためのサービスも用意する。

 パートナーエコシステムの構築にも注力しており、「フォーカスパートナーとのオファリング開発」「SAS認定資格を取得した技術者の増加」「Microsoftとの戦略的パートナーシップ」に取り組んでいる。Microsoftとの協業では、金融・ヘルスケアを皮切りに、製造・流通へと拡大していく計画だ。

新たなリーダーチップチーム
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