日立システムズは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進をプロセスマイニングで支援するサービスの提供を開始した。2025年度までに40億円の売り上げを目指す。
プロセスマイニングツールには「Celonis Execution Management System」(Celonis EMS)を活用する。Celonis EMSは、独自のプロセスマイニングエンジンをベースに構築されたツールで、「Celonis Execution Apps」「Celonis Execution Instruments」「Celonis Studio」とプラットフォーム機能で構成される。分析、戦略・計画、管理、アクション、自動化など、実行管理のあらゆる側面を支援するとしている。
日立システムズでは、自社内のシステムでプロセスマイニングを活用した業務改善を進めており、販売系プロセスにおける自動化率の向上と業務コストの削減に取り組んでいる。また、顧客の本番データを用いたプロセスマイニングについての価値検証や概念実証(PoC)を実施してきた。
同サービスでは、こうした取り組みで得たプロセスマイニングのナレッジをベースに、顧客のニーズやそれぞれの活用シーンに合わせた5つのメニューを整備した。業務プロセスの可視化に必要となる、煩雑なデータの準備の段階から、日立システムズのCelonis認定エンジニアによる全面的なサポート体制を整えている。
プロセスマイニングによる業務DX支援サービスの概要(出典:日立システムズ)
Celonis EMSによる業務プロセス可視化イメージ(出典:日立システムズ)
5つのメニューは、「適用可否検証サービス(無償)」「スポット業務分析サービス(個別見積もり)」「年間ライセンス導入支援サービス(個別見積もり)」「運用支援サービス(個別見積もり、トレーニングサービス有)」「コンサルティング業務支援サービス(個別見積もり、コンサルティング企業向け)」となっている。
適用可否検証サービスでは、SAPなどの統合基幹業務システム(ERP)パッケージや、スクラッチ開発システム、レガシーシステムなど顧客システムへのCelonis EMSの適用可否を無償で検証する。
スポット業務分析サービスは、プロセスマイニングを活用した業務改善の費用対効果を検証したいといった要望や、期や年度ごとなど定期的な分析をしたい、システム刷新に向けた上流工程で活用したいなどのニーズに対応する。
年間ライセンス導入支援サービスでは、導入目的や業務の分析内容に応じて、年間ライセンスの最適なプランを提案する。また、顧客のソースシステムとプロセスマイニングツールをリアルタイムに接続する環境の構築を支援する。
運用支援サービスでは、本格導入後の継続的なプロセスマイニング推進体制の確立を支援する。年間ライセンス導入後の1サイクル目(3カ月が目安)は日立システムズが主体となり手厚くサポートし、2〜3サイクル目で介入度を下げながら伴走、最終的には顧客が主体となる運用できるようにする。
コンサルティング業務支援サービスでは、IT戦略・ITマネジメント・DXなど、各コンサルティング企業のサービスに、日立システムズのサービス(現状業務の把握:業務フロー可視化、件数、所要時間などの算出など)を組み合わせる。これによりデジタルツインによる現状把握、エンドユーザーとの合意形成などに役立てるこことができる。