Siemensが、サプライヤーすべての実際の製品カーボンフットプリント(PCF)を追跡できるようにするためのソリューションをリリースしている。米環境保護庁(EPA)によると、バリューチェーンの排出量を示すスコープ3は、企業の温室効果ガス排出量の大部分を占めることが多いという。
Siemensの新ソリューションには、ソフトウェア「SiGreen」のほか、製造業者、サプライヤー、顧客そしてパートナーが、信頼できるPCFデータをやり取りできるようにすることを目的とした、オープンで業界横断的なネットワーク「Estainium」がある。SiGreenは業界の平均値ではなく、実際のデータを利用し、カーボンフットプリントを算出する。他のツールが採用しているような業界平均ではなく、実際の正確な排出量データを使うことで、企業が一層容易に正確なカーボンフットプリントを評価できるようにする狙いがある。
さまざまな理由から持続可能性指標を優先する企業が増えており、この新ツールはそのような企業にとって有用となるだろう。企業は、従業員や投資家、顧客、規制当局から、カーボンフットプリントを削減するよう迫られている。
Gartnerによると、「組織がESG(環境・社会・ガバナンス)基準を満たすことへのプレッシャーは、大半の財務責任者が認識しているよりも広がっている。投資家の85%が、2020年の投資でESGの要因を考慮した」という。
サプライチェーンパートナーから排出量データを収集するには、戦略的に重要な情報を公開するよう求めることになる場合が多い。そのため、世界資源研究所(WRI)、温室効果ガスプロトコルイニシアチブ(GHG Protocol)、GIZといった非政府組織(NGO)は、分散型台帳ベースのシステムを推奨してきた。こうしたシステムでは、データは顧客とサプライヤーの関係の範囲内で直接共有され、データをサードパーティーに提供したり、自社のサプライチェーンに関する情報を共有したりする必要はない。
分散型のオープンなEstainiumネットワークは、排出量データをまとめて真のエコロジカルフットプリントを導き出すことができるとSiemensは説明している。その分散型台帳技術(DLT)は、サードパーティーの「Verifiable Credentials」(VC:検証可能な資格情報)の作成ややり取りをサポートし、共有される情報の信頼性を保証する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。