Googleの年次カンファレンス「Google Cloud Next '21」で数多くの発表が行われた中、サステナビリティーが注目を集めた。Google Cloudは米国時間10月12日、同社と世界のサステナビリティーを向上させるための一連の新たな提携や、統合、ツールなどを発表した。
同社は、「Google Cloud Platform」におけるカーボンフットプリントの量を確認できるよう、「Carbon Footprint」レポート(プレビュー版)をすべての顧客に提供すると発表した。このイニシアチブはHSBCやAtos、Salesforce、L'Orealなどの協力を得て生み出されたものだ。
これにより、ユーザーに自らのクラウド利用で発生したカーボンフットプリントの総量が記された、行動につなげられるレポートが提供される。
Atosで脱炭素ビジネス分野の責任者を務めるNourdine Bihmane氏は、知識とテクノロジーのイノベーションは、世界が直面している気候変動の危機に対応する上で重要な役割を果たすと述べている。
Bihmane氏は、「GoogleのCarbon Footprintレポートに記された排出データをAtosの『Decarbonization Data Platform』に入力することで、Google Cloud Platform使用時の排出量の削減予測を顧客に示せるようになる」とし、「このレポートにより、排出量の透明性と、将来予測、データによる知見が新たな高みに引き上げられる結果、気候変動と戦う顧客が目標を達成し、さらには目標に向けて取り組みを加速させる上でサポートできるようになる」と述べた。
またGoogle Cloudは、アイドル状態となっているクラウドインスタンスを削減することで削減できる排出量をユーザーが把握できるようにする。
「Active Assist Recommender」の「Unattended Project Recommender」によって、ユーザーはアイドル状態のリソースを除去することで生み出される排出削減量を見積もることが可能になる。Googleは8月、プラットフォーム全体ですべての顧客のデータを「Active Assist」によって集計したところ、一掃あるいは再利用が推奨されるプロジェクトに関連する排出量は600tCO2e超になったという。
またGoogleは、サステナビリティ関連の組織Planet、Carto、Climate Engine、Geotab、NGISなどとのパートナーシップを拡大している。データやアプリケーションをGoogle Cloudに取り込み、顧客がサステナビリティに基づく判断がしやすくなるよう支援している。
さらに同社は、Google Cloud Platformの排出量データとSalesforceのカーボンアカウンティング製品「Salesforce Sustainability Cloud」を連携させる計画だ。Salesforce Sustainability CloudのゼネラルマネージャーであるAri Alexander氏は、顧客や利害関係者の増大する期待に応え、環境への影響を低減するために、世界中の企業がサステナビリティーを業務の中核に組み入れる必要があると述べた。
同社は排出量データのほかにも、デジタル変革プロジェクトやワークショップ、ローカーボンシグナル、サードパーティーによる炭素影響評価を通じて、組織がよりサステナブルにするために有用なさまざまな手段を講じていると説明している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。