リモートワークは多くの開発者にメリットをもたらしている。開発者は、リモートワーク中はオフィスで働いているときよりも集中力を乱されることが少なく、仕事に没頭でき、有意義な仕事ができると感じている。
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しかし、孤立して仕事をする期間が長引くと、孤独感や、生産性の低下や、上司の目に映りにくく出世が難しくなるなどの好ましくない副作用が生じる場合がある。
エンジニア紹介会社であるTerminalは、エンジニア1000人超を対象として、ソフトウェア開発者がリモートワークから受ける影響について調べた結果のレポートを公表した。
このレポート「The State of Remote Engineering」2022年版は、リモートワークや燃え尽き症候群、生産性、報酬、賃金の公平性などのソフトウェア開発者に影響を与えるさまざまな問題について、開発者自身の意見を把握することを目的としたものだ。
調査の結果、働き方の柔軟性やワークライフバランスの向上を求めている開発者の間では、今も依然としてリモートワークを好む傾向が強いことが明らかになった。またソフトウェア開発者は、給与が高い仕事や有意義な仕事に就くために、必ずしも引っ越しをする必要はないことに気づき始めている。
調査に回答した開発者の4分の3(75%)は、ほとんどの時間リモートで働くことを希望していた。また、回答者の60%以上がすでに全面的にリモートワークで働いており、75%が週に3日以上リモートで働いていた。
生産性に関する質問では、68%がリモートワークや在宅勤務をしている時の方がより有意義な仕事ができると回答していたのに対して、オフィス環境の方が生産性が高いと答えたのは32%だった。
リモートワークの結果、ワークライフバランスが向上した(64%)、ストレスが減った(48%)と答えた開発者もいた。その一方で、恒久的にオフィスを離れて働くことにはデメリットもあることが分かった。
リモートで働くソフトウェアエンジニアが感じていた大きな不満の1つが孤立感だ。回答者の半数以上(55%)が日常的な社会的交流の不足がリモートワークにおける障害だと考えており、40%は孤独感や孤立感を感じていた。
また38%は、他者との直接的な接触がないことが、コラボレーションやインクルージョンを難しくしていると回答していた。さらに回答者の31%は、リモートで働いているとマネージャーや上司の目に止まりにくくなり、出世が難しくなると述べている。