海外コメンタリー

「メタバースコンティニュアム」が到来する世界で企業はいかに戦うか--アクセンチュア

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-03-22 06:30

 2022年は、Accentureが「メタバースコンティニュアム」(Metaverse Continuum)と称するものが到来し、ビジネスとテクノロジーの世界にとって大きな転換期になりそうだ。この新しい環境で成功するには、新技術を習得したり、イノベーションを受け入れたりするだけでは不十分だと同社は述べている。

 同社はレポート「Technology Vision 2022」(テクノロジービジョン 2022)で、「真に競争的なビジョンが必要になる」と述べており、企業は「現在のやり方に別れを告げ、未来に確固とした根を下ろす」ことで豊富なチャンスを見出せるとしている。

 Accentureの年次レポートTechnology Visionは、長年新しいテクノロジートレンドを見極めてきた。2022年は重要な変化の兆しがあるため、さらに将来を見据えたレポートとなっている。同社はメタバースコンティニュアム、すなわち「今後10年間に、人々の生活や企業に革命を引き起こそうとしている、デジタルによって強化された多様な世界、現実、ビジネスモデル」のビジョンを明らかにした。

 レポートによると、今後10年で仮想世界が今までにない方法で拡張され、新しい形態のコマース、通貨、芸術が登場する。その一方で、デジタルで強化された現実世界は、スマート工場など、現在ある限られた空間から、スマートな地域や都市全体を含むまでに成長する見通しだ。このメタバースコンティニュアムを構築するために使用されるツールとして、XR(Extended Reality)、ブロックチェーン、人工知能(AI)、デジタルツイン、スマートオブジェクトなどがある。

 そのため、企業は今、選択を迫られているとレポートは指摘する。つまり、メタバースコンティニュアムを受容するか、取り残されるかの二者択一だ。

 レポートには、「企業はウェブ草創期の頃と同じように、自分たちが想定していたものとは全く異なる未来に向かって突進している」と書かれている。「今後10年間で、現在企業がビジネスを行っているほぼすべての環境が、完全に様変わりするのを目の当たりにするだろう」(同社)

 Accentureによると、メタバースコンティニュアムのこうした側面は非常に新しく、まだルールや期待は存在しない。そのため、企業が人々の生活や仕事のやり方について基準を定めることのできる豊富な機会があるという。

 「現在、メタバースコンティニュアムの構成要素が形作られているが、今後10年間でそれらが融合し、全く新しい企業環境が生まれるだろう」とレポートでは予測されている。「2020年代は、これらの新しい物理的現実とデジタル化された現実を形にする野心的な企業のほか、人間とAIが共存する世界、新しいコンピューターによって実現する産業などが登場するだろう」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]