編集部からのお知らせ
記事まとめPDF「日本のスタートアップ」
お勧め記事まとめPDF「マイクロサービス」

ブレインテックでeモータースポーツの運転技術を向上--未来のプロレーサー育成にも可能性

藤本和彦 (編集部)

2022-03-24 11:44

 KDDI、アイロック、VIE STYLE、レーシングヒーローの4社は、脳科学とITを組み合わせたブレインテックを活用し、脳の認知能力を高めることでeモータースポーツのドライビングテクニックの向上を目指す実証実験を実施した。期間は2021年12月14日から2022年3月11日まで。脳の認知能力を高めるトレーニングを受けた被験者のドライビングテクニックの向上を確認した。

画像

 近年、プロスポーツでは、ゲームを活用したトレーニングが増えているという。特にモータースポーツは、ステアリングやペダル操作が同一のため、シミュレーターの親和性が高い一方、実車は加速度などの違いがあり、実車のドライビングテクニックの向上に結び付かない可能性も指摘されている。

 また、脳科学研究の進展により、プロスポーツ選手のスキルと脳の認知機能の関連性が明らかになってきている。モータースポーツにおいても、レーサーが一般人と比べ反応速度が早いという結果が報告されているという。リアルタイムに選手の脳波を可視化し、目的の脳活動に近づける「ニューロフィードバック」の活用で、脳の反応速度向上につながるトレーニング技術の研究も進み、将来的には多くのeモータースポーツのプレイヤーが実車のレーサーとして活躍できる可能性が広がっているとする。

ニューロフィードバックの仕組み
ニューロフィードバックの仕組み

 今回の実証は、eモータースポーツで活躍する宮園拓真選手や佐々木唯人選手など8人が被験者として参加。ブレインテックのトレーニングによる、シミュレーター上でのドライビングテクニックの向上を目的とした。実車のレースやeモータースポーツで活躍する選手4人を基準に、多様な脳の評価と比較を行い、トレーニング対象となる脳の認知能力を特定した。

 その後、トレーニングを実施する選手2人に対し、例えば認知テストにおける脳の反応時間の短縮やポジティブな感情戦略をとるなど、伸びしろが大きいと想定される脳スキルを高めるため、ニューロフィードバックを利用したトレーニングを実施した。

画像

 トレーニング前後に、シミュレーターで筑波サーキットを5周走行した際のベストタイムを比較。その結果、トレーニングを受けた選手2人は、トレーニングを受けていない選手6人と比べてベストタイムを約0.6秒短縮できた。

 今後4社は、実車での走行テストなどを行い、将来的にeモータースポーツのプレイヤーがプロレーサーを目指すことができる環境の整備や技術開発を進めていく。

実証実験に参加した各社の役割と内容
実証実験に参加した各社の役割と内容

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]