NEC、国内企業で最大規模となるAI研究用スーパーコンピューターの構築を開始

NO BUDGET

2022-05-19 06:20

 NECは、人工知能(AI)研究用スーパーコンピューターを構築すると発表した。2023年3月に国内企業で最大規模(4月18日時点の同社調べ)の580ペタフロップス(PFLOPS。1PFLOPSで浮動小数点演算を1秒間に1000兆回可能なことを表す)超となるシステムの稼動を予定している。

AIスーパーコンピュータのマシン室完成予想図
AIスーパーコンピュータのマシン室完成予想図

 開発するスーパーコンピューターは、同社の数百人のAI研究者が利用できるもので、数十億円を投じて設計・構築する。システム構成は、1ノード当たり8基のハイエンドGPU「NVIDIA A100 80GB Tensor コア GPU」を搭載した最新GPUサーバー116台(スーパーマイクロ製)と、16ペタバイト超の「EXAScaler」高性能並列ファイルシステム(データダイレクト・ネットワークス製)を搭載したストレージアプライアンスとなっている。

 理論上の処理性能は580PFLOPS超となり、数千万枚の画像を数分間で学習できる。また、ネットワークには高速イーサネットスイッチ「NVIDIA Spectrum SN3700」を採用し、全サーバーを200GbEで接続して、「RDMA over Converged Ethernet(RoCE) v2により超高速・低遅延通信を行う。これにより高速な分散学習が可能になる。

 構築においては、Kubernetesを中核としたNEC独自の構築技術を活用することで、先端ハードウェアとソフトウェア群を密に結合させ、高性能かつ利便性の高いシステムを構築する。

 既に一部のシステム(100PFLOPS)については、NECの数百人のAI研究者が利用を開始しており、今後構築する480PFLPOSのシステムを加え、国内最高峰のAIに特化した研究開発環境として、より高度な先進AIの迅速な開発に役立てる。来的には、顧客やパートナーとの共創により先進的な社会価値を産み出すAI研究のセンターオブエクセレンスの実現を目指す。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]