商社の山善は6月30日、二酸化炭素の算定アプリケーションをグループ内に導入することに加えて、同社負担で「グリーンボールプロジェクト」に参加する販売店にも展開し、サプライチェーン全体で排出量を可視化すると発表した。
山善は、ゼロボードが開発する温室効果ガス排出量の算定・可視化を行うSaaS「zeroboard」を一部カスタマイズし、「GBP App」の名称で7月中旬から国内の支社、グループ会社、物流拠点などに随時導入、展開していく。
ゼロボードによると、zeroboardでは、導入企業自身の活動によるスコープ1~2での温室効果ガス排出量と自社以外のサプライチェーンを含めた全体のスコープ3での排出量を算定する。スコープ3については、環境省などの標準値に加えてサプライヤーの実績値も算定値に反映することができるという。
山善は東京証券取引所(東証)プライムに上場しており、東証による2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂を受けて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に準じた温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいると説明。また、グリーンボールプロジェクトは、2008年に開始した省エネや環境優良の製品を取り扱うもの。今回はこれに参加する約600の販売店に対して、山善の負担により2022年度中にGBP Appの利用を開始してもらうことにしている。
アプリイメージ
さらに山善は、こうした取り組みに賛同するメーカーや工場のユーザーにもGBP Appを有償で提供することにより、例えばネジ1本の単位から製品製造に伴う温室効果ガスの排出量を把握できるようにするという。