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「ひとり情シス」の本当のところ

第49回:列伝9人目「内製型ひとり情シス」

清水博 (ひとり情シス協会)

2022-09-20 07:00

どん底から見た光明

 ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第九章は、プログラミングが得意で内製開発までしてしまう二宮友和さんです。

 現在は全方位のスキルを持っている二宮さんですが、ここに来るまでは紆余曲折や失敗がありました。IT販売を行うブラック企業の営業職からスタートし、3歩進んで2歩下がるようなキャリアを歩んできました。なかなか希望する職に就くことも、思うような成績を上げることもできず、先が見えない絶望的な状況の時もあったそうです。

 ジェットコースターのような人生を、持ち前の明るさと、ある意味“鈍感力”と呼べる精神で過ごしてきた二宮さんは、列伝で6つの提言をされています。ここではその中の2つを紹介します。

提言1:「内製化スキルが必須」

 カスタマーサポート時代に情シスの方が一所懸命に内製している姿を見てきましたが、最後のところでなかなか完成しない場面や全く前進しない局面が目立ち、内製化してもちゃんと動いているシステムは少なかったです。いくら自社システムの開発とはいえ、やはりビジネスとしての経験がないと、業務で使える品質のものを完成させるのは難しいと思います。

 また、ひとり情シスが目に見えにくいインフラ部分をいくら整備しても、周囲からの直接の評価には結びつきません。ユーザーから「こういうことできないかな?」と相談されたとき、プロトタイプをすぐ作って「こんなイメージでしょうか?」と提示すれば、ユーザーはとても喜んでくれます。そして、そのユーザーとの関係は劇的に良くなります。改善提案に来る人は一言ある場合が多いですから、その人を味方にすることで社内での運営が大きく改善されます。

提言2:「段取りの勘所」

 20年近い社会人経験の全てをIT業界で過ごしてきました。希望通りのキャリアに進めず、トラブルも幾度となく引き起こしてきましたし、今でも未知の状況が押し寄せてきて難しい問題にも直面します。今でも神経を使う作業には、初心に戻って以下の注意点を確認しています。

  • タスクが未完了の場合のリスクの重みを付け、作業完了状態を正確に言語化する
  • タスクは全てデジタル管理し、常に誰からも見られる状態にする
  • 自分自身の作業時間をストップウォッチで正確に測定することから始める
  • すぐできる仕事はタスクとして記入せず、その場で実施
  • 慣れないうちは、準備時間を2倍確保することが結局は近道
  • ステークホルダーにタスクをレビューしてもらい関係強化
  • 作業の予行演習は完全にリスクをなくす中核業務であり、演習ではない
  • 問題や障害の発生後は恒久対策まで一気に策定

 仕事の進め方には人それぞれに癖があり、繰り返すものなので、それらを少しずつ書き留めてアクションのチェックリストを整備していくがいいと思います。

清水博
清水博(しみず・ひろし)
一般社団法人 ひとり情シス協会
早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス)におけるセールス&マーケティング業務に携わり、米ヒューレット・パッカード・アジア太平洋本部のディレクターを歴任、ビジネスPC事業本部長。2015年にデルに入社。上席執行役員。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手掛けた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。中堅企業をターゲットにしたビジネスを倍増させ世界トップの部門となる。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。2020年定年退職後、会社代表、社団法人代表理事、企業顧問、大学・ビジネススクールでの講師などに従事。「ひとり情シス」(東洋経済新報社)、「ひとり情シス列伝」(ひとり情シス協会出版)の著書のほか、ひとり情シス、デジタルトランスフォーメーション関連記事の連載多数。産学連携として、近畿大学CIO養成講座、関西学院大学ミニMBAコース、大阪府工業協会ひとり情シス大学1日コースを主宰。

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