IBMは米国時間11月9日、433量子ビットを搭載した新たな量子プロセッサー「IBM Osprey」を発表した。これは量子コンピューティングにおける究極の目標に向けた、着実な進歩を感じさせる成果と言えるだろう。2021年に発表された同社の量子コンピューターと比べて3倍以上の量子ビット数を実現したことで、新システムでは計算能力が著しく向上している。

提供:IBM Research
同社は量子コンピューティングの商用化に向けて何年にもわたって堅実に取り組んできており、GoogleやIntelのような大企業や、D-WaveやRigetti Computingといった早くから開発に注力している専門企業、Atom ComputingやPasqalのような最近の新興企業としのぎを削っている。量子コンピューティングは、スマートウォッチやスーパーコンピューターに用いられている従来型のテクノロジーでは手に負えない難題を解決できるとされている。
量子コンピューターが革命的な進歩を遂げるまでにはまだ何年もの時が必要だ。しかし最終的な目標を達成するために、計画の各段階を着実に踏んでいくことは重要だ。こういった進歩がなければ、数十億ドルもの投資資金が枯渇し、量子分野における冬の時代の到来によって業界が冷え込むことにもなるだろう。
IBMは、耐量子暗号に向けて投資している大手通信会社のVodafoneや、金融サービスに向けた応用を模索しているフランスのCredit Mutuel銀行との新たな提携も発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。