神戸製鋼所は、SAPの統合基幹業務システム(ERP)の標準機能をなるべく利用しアドオンを削減するSAPの「Fit to Standard」に即してERPを統合刷新し、従業員が標準機能を使う支援策としてガイド・ナビゲーションツールの「テックタッチ」を導入した。同ツールを開発するテックタッチが2月16日に発表した。
神戸製鋼所では、旧態の業務プロセスや複雑化したシステム、先進的なIT活用に必要となるデータの不足などが問題化して、業務プロセスやシステム変革を求めていたとのこと。このためSAP ERPの統合刷新ではFit to Standard手法とした。
SAP ERPを導入している企業は、SAP ERPの標準機能の多くが自社の業務プロセスや周辺システムとの連携方法に合わないとして、標準機能を自社都合に合わせるための「アドオン」を独自に多数開発し、SAP ERPに組み込んで使用するところが少なくない。
しかし、SAPはユーザーになるべく標準機能を使うよう求めており、アドオンの開発や維持のためユーザーの費用負担も大きく、近年変化する業務方法への対応の妨げになっていることから、アドオンを減らすユーザーが出始めている。ただし今度は、エンドユーザーの従業員がSAP ERPの標準機能の使用方法や標準機能に基づく業務プロセスを新たに習得しなければならず、それをどう円滑に進めるかが課題になる。
テックタッチは、同社製品について、「ウェブ上のあらゆるシステムに入力ガイドを設置でき、正しくゴール(操作完了など)までナビゲーションすることで、対クライアントサポートや対社内の問い合わせ対応といった工数負担を圧倒的に軽減する」と説明する。
神戸製鋼所に対して、テックタッチ販売代理店のアシストが導入を提案したという。アシストは、「提案内容、有効性、大企業中心の導入実績、Fit to Standardとの親和性などを評価いただき採用された」とコメントしている。