アドビは5月25日、同社のツールを教育現場で活用している教育関係者の認定組織「Adobe Education Leader」(AEL)の2023年度のメンバーとして28人を認定したと発表した。
AELの任期は1年で、全世界で毎年約300人を認定している。国内では2023年度で5度目となり、同年度の学校種別のメンバー内訳は小学校3人、中高一貫校13人、高等学校5人、高等専門学校1人、大学3人、専門学校1人、特別支援学校1人、インターナショナルスクール1人となっている。
AELの活動においてアドビは、教育現場での授業の実践を支援するほか、学校以外の場での活動や横のつながりを生かしたコミュニティーでのプロジェクトを後押ししている。例えば、デザイン作成アプリ「Adobe Express」やクリエーティブツールのサブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」を活用した授業の実践支援、月1回のオンラインミートアップによる教職員同士の情報交換、授業案といった教育リソースの公開、メンバー限定のSNSなどでの情報発信を行っている。
アドビはAEL認定者に対し、Creative Cloudのライセンス1年分を提供するほか、世界中のAELと情報交換できる機会をつくり、国内だけでなく海外の教育の最新潮流を体感してもらうことを図っている。
日本の教育現場では、「GIGAスクール構想」におけるデバイス活用が4年目に突入したほか、2022年度から高等学校で必履修化された「情報Ⅰ」、高等教育でのAIデータサイエンス人材育成の強化など、教育のデジタル化が本格化している。
こうした背景のもとAELは、日本の子どもたちのクリエーティビティーとデジタルスキルを伸ばす教育の普及を目指している。子どもたちがこれからの社会で活躍するには、データを解釈して課題を発見する「データサイエンス」と、アイデアを引き出して形にする「デジタルクリエイティブ」両方のスキルが必要だとアドビは説明する。同社は、この2つのスキルを駆使して創造的な問題解決を行える能力を「クリエイティブデジタルリテラシー」と定義づけ、次世代を担う子どもたちには不可欠な能力としている。
アドビは5月14日、2023年度初の対面キックオフイベントを開催し、全国から教職員がリアル/オンラインのハイブリッドで集結した。同イベントでは、神奈川大学附属中・高等学校の小林道夫氏が「AI時代の情報教育~創造的問題解決能力を育てる~」というテーマで基調講演を行ったほか、アドビ Creative Cloudのセグメントマーケティング部 マーケティングマネージャーを務める岩本崇氏、エバンジェリストの仲尾毅氏がExpressやCreative Cloudの新しい特徴について説明した。
また、教職員はExpressを用いてグループごとに自己紹介を実施。初対面のメンバーもいる中、各グループで共通点を探し、写真やイラストなどを活用して制作を行い、クリエーティブな発表を行ったという。
キックオフイベントの様子