ワークデイは6月23日、従業員エンゲージメントの向上を支援する新プラットフォーム「Workday Peakon Employee Voice」を国内向けに提供すると発表した。
Workday Peakon Employee Voiceは、従業員のフィードバックをリアルタイムに収集し、実用的な洞察や分析として可視化、従業員エンゲージメントに関するインサイト(洞察)とアクションプラン(行動計画)を提供するプラットフォームだ。ワークデイ エグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャー 日本法人社長の正井拓己氏は、「退職リスクが叫ばれる中、従業員エンゲージメントを支えるツールの重要性が高まっている。このようなツールを活用することで、離職リスクを抑え、新しい人材を引きつける重要な施策に役立てることが可能だ」と述べた。
正井氏によると、Workday Peakon Employee Voiceは「インテリジェントリスニング」を基盤とした機能を提供する。インテリジェントリスニングについて、同氏は「従業員からフィードバックを得てインサイトにつなげるだけでなく、従業員が自由に意見やフィードバックを継続的に発言できるようにする。従業員が答えたくなるような質問や、パーソナライズされたアンケート体験を提供することで、より良い人事的意思決定に結びつく高品質なデータ収集が可能となる」と説明した。
Workday Peakon Employee Voiceは、従業員へのアンケートを定期的に行い、エンゲージメントの度合いなどを探る。アンケートの質問は、組織心理学の視点から研究を重ね、エンゲージメントに影響を与える要因を特定した上で用意したものだという。
アンケート結果は管理者側でリアルタイムに集約される。業界別のベンチマークも提供されており、自社のエンゲージメントの高さが業界内でどの位置にあるか比較することも可能だ。また、従業員の属性によるエンゲージメントの違いをヒートマップで分析できるようになっている。
ワークデイ エグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャー 日本法人社長の正井拓己氏
管理者向けと同様のダッシュボードは、マネージャーにも提供される。そのため、マネージャーは従業員のエンゲージメント状況を集約するだけでなく、部署やチームごとのアクションへとつながる情報を得ることも可能だ。異なる属性の従業員の変動も考慮しながら、各マネージャーが目標を設定できるようになっている。
ダッシュボードでは、ビジネス指標とエンゲージメントの相関関係を分析した結果も表示されるため、営業成績や離職率、顧客満足度など、企業の重要業績評価指標(KPI)とエンゲージメントの相関関係を把握できる。また、エンゲージメントの構成要素の分析も行われ、例えば自己裁量が成果に影響しているかどうかなども示されるという。
正井氏によると、ワークデイでも同プラットフォームによって従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいるという。「ダッシュボードに表示される結果だけでは、マネージャーがチームメンバーに対してどのようなアクションを取るべきか判断するのは難しい。しかし、Workday Peakon Employee Voiceでは具体的なアクションまで提案されるため、社内でも従業員エンゲージメントに対する理解が進み、インサイトに基づいたアクションが促進されるようになった」としている。
Workday Peakon Employee Voiceは既に世界160カ国・60言語で展開されており、国内の企業も含め1500社以上の導入実績があるという。同プラットフォームは、人材資本管理ソリューションの「Workday HCM」とシームレスに統合されていることから、「組織内で起きている事象や背景を深く理解できる」と正井氏。「今後はWorkday HCMと合わせてWorkday Peakon Employee Voiceの拡大販売に努める」とした。